映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年のベスト映画10本

今年1年間で私が観た映画は94本。 うち映画館で45本。 BS・CS放送とDVDで49本。<今年映画館で観た映画のベストテン>1.「サマーウオーズ」 →こちらに登場する”アバター”も、すごいぞ。 2.「グラン・トリノ」 →78歳のイーストウッドがみせ…

2009年 映画の話題

今年の映画界の話題といえば、「おくりびと」のアカデミー賞受賞。快挙だと日本中が沸いたが、米国アカデミー賞こそが世界最高賞だと思っているマスコミは騒ぎすぎだが、死人をおくるというテーマで、日本映画が世界で評価されたのは素直に喜ぶべきだろう。…

「アバター 3D字幕版」

”観るのではない。そこにいるのだ。”という新聞広告のキャッチコピーどおり、映画で描かれた未知なる星パンドラの世界、まさにそこにいるような、「すごい!」の一言。深く鬱蒼とした原生林、自然発光の植物群、森に棲息する獰猛な怪獣たち、空高く舞う翼竜…

イヴの歌舞伎座はカーテンコール

昨日クリスマス・イヴの夜は歌舞伎座で過ごした。お目当ては「野田版・鼠小僧」。野田秀樹作・演出の舞台の再演で”歌舞伎座さよなら公演”にふさわしい舞台。棺桶屋の三太(勘三郎)が、サンタのように鼠小僧がイヴの夜に、子供に小判の雨を降らせれらるかと…

「南極料理人」

40年間のサラリーマン時代、単身赴任は博多での一度だけだったが、これが実に楽しかった。それぞれ勤務会社は異なっていたが、今でも東京で当時の単身赴任仲間で定期的に集まって飲み会をしているほど。なにが楽しかったといえば、やはり食堂があったからだ…

「文楽鑑賞教室」が楽しい

国立劇場で「文楽鑑賞教室」を観てきた。この教室、今回第41回とあるが、私は初めて鑑賞。前半は、「解説・文楽の魅力」。大夫・三味線・人形それぞれが、その役割や道具解説をしながら、文楽の魅力を楽しく語る。文楽を何回も観ている者でも、おもしろかっ…

「カールじいさんの空飛ぶ家 3D版」

私が良く行くワーナー・マイカル・シネマズでは、今週から3D映画の鑑賞料金が通常料金プラス300円と値下げとなった。シニアなので1,300円で観ることができた。やはりデフレ効果か。 この映画の主人公カールじいさんは、オスカー名優スペンサー・トレイシー…

「Disney’s クリスマス・キャロル 3D版」

アニメでもなく実写でもないCGの世界。俳優の演技をデジタル処理して映像を造る”パフォーマンス・キャプチャー”が、みごとに花開いて、幻想的でスリリングな世界を観ることができる。しかも3Dで。映画ならではの体験だ。ジム・キャリーが7役ものキャラクタ…

「2012」

”2012年 マヤの予言通り、世界は終わるー。” 「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」などのローランド・エメリッヒ監督お得意のディザスター・ムービー。そのダイナミックな映像の迫力は満点。最後までまったく観客を飽きさせない。 後半…

「ゼロの焦点」

私が高校時代にリアルタイムで観た野村芳太郎監督の映画「ゼロの焦点」は、強く印象に残っている。橋本忍(山田洋次と共同)脚本による過去が交錯する巧みな語り口、そしてなによりも川又繡 のカメラが、暗い過去を象徴するかのような北陸の空、能登の断崖を…

キネマ旬報・映画史上のベストテン

映画雑誌「キネマ旬報」が、映画史上のベストテンを発表。同誌創刊90年を記念し、100人を超える評論家や文化人による投票を集計したもので、人気投票ともいえるが、やはり観ておきたい映画には間違いない。 私は、下記作品のなかで、「暗殺の森」の1本…

キネマ旬報・映画史上のベストテン <日本映画>

映画雑誌「キネマ旬報」が、映画史上のベストテンを発表した。日本映画の1位には、小津安二郎監督の「東京物語」が選ばれた。2位は「七人の侍」3位は「浮雲 」。この3作品は、同じキネマ旬報が前回1999年版の映画史上のベストテンでも、順位は違って…

キネマ旬報・映画史上のベストテン <外国映画>

映画雑誌「キネマ旬報」が、映画史上のベストテンを発表した。外国映画の1位には、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」が選ばれた。これまで、”映画史上のベストテン第1位”作品といえば、 「市民ケーン」「天井桟敷の人々」「第三の…

文楽「芦屋道満大内鑑」

本場大阪の国立文楽劇場で文楽を堪能してきた。観たのは、第2部「芦屋道満大内鑑」。今月は第1部の「心中天網島」のほうが人気のこともあり第2部のほうは10日前に電話予約しても、前から3列目中央と願ってもない席を確保できた。ラッキー!東京からでも切符…

「私の中のあなた」

”もう姉のドナーにはならない。”白血病の姉ケイトのために遺伝子操作で生まれてきた妹アナが、両親を相手に訴訟を起こすという、日本では考えられないお話。母親を演じるのが、キャメロン・ディアスで、彼女の起用が成功。持ち前のキャラクターで暗い題材を…

山田芳裕著「へうげもの 9服」

”茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。 天才・信長から壮大な世界性を、 茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、 「へうげもの」への道をひた走る。”山田芳裕のコミック「へうげもの」は、茶の湯の世界から戦国時代を描いた作品。主役は古田織部。…

インターミッション

3時間22分の大作映画「沈まぬ太陽」には、途中10分間の休憩があった。この休憩時間は、私はトイレに急行した。「沈まぬ太陽」では、映画フィルム1巻分(10分)を使ってテーマ音楽が流れていた。日航機事故の遺族であるバイオリニストのダイアナ湯川さんが…

「沈まぬ太陽」

「日航再建、政府主導で練り直し 支援機構を活用」と日経がトップニュースで伝えるなか、まさに時機を得た映画の公開。映画では国民航空NALとしているが、御巣鷹山事故がドラマの核で明らかにJALを描いたものとわかり、この時期に、よくぞ映画化できたものだ…

「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ」

世の中、ダメ男から離れられない女がいる。 そんな男と女を描いた日本映画といえば、成瀬巳喜男監督の「浮雲」(昭和30年)がある。男のダメぶりを森雅之が、女の業を高峰秀子が見事に演じてみせた戦後日本映画の傑作を思い出す。役者の演技で見せる映画の代…

歌舞伎座さよなら公演「義経千本桜」

歌舞伎座入り口横に設置された残日数表示版も、あと残り200日を切った。現存の歌舞伎座とお別れがだんだん近づいてくるのを実感する。10月の歌舞伎座、夜の部を観てきた。今回もほぼ満席だ。通し狂言「義経千本桜」後半は狐忠信の話。狐忠信というと、どう…

「戦慄迷宮3D」

映画館で、3D用のメガネをかけると、予告編も3Dだ。「カールじいさんの空飛ぶ家」「クリスマス・キャロル」「アルビン号の深海探検3D」の立体予告編が3本も観れた。全部観たい!平日の午後、劇場は4分の入り。はたして、日本でも3D映画ブームとなるのか。…

麻雀&ブリッジ での最高役

私が今も楽しんでいるゲームは、「麻雀」と「コントラクト・ブリッジ」。東洋で生まれた麻雀と、西洋で生まれたブリッジだが、共通点が多い。麻雀は、萬子、索子、筒子、字牌の4種類。ブリッジも、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4種類。 麻雀は13牌…

「空気人形」

この映画を観ていて、学生時代に観たアントニオーニ監督作品を思い出した。そう、あの感覚なのだ。「さすらい」「情事」「夜」といった作品で、アントニオーニが現代人の不安や孤独、断絶を映像で示した、あの感覚なのだ。 是枝裕和監督作品「空気人形」は、…

井上荒野著「静子の日常」

"何かが過剰で、何かが足りないこの世の中 今日も出くわす“ばかげた”事象を宇陀川静子・七十五歳は見過ごさない ―チャーミングで痛快 直木賞作家の最新長篇小説―"最近読んだ本では、この井上荒野著「静子の日常」が、一番のお勧め。息子家族と4人で暮らす静…

「くもりときどきミートボール 3D」

”空から飛び出す食べ物を 3D立体映像で味わおう!” 毎週1回映画館へと思っても、今週はどうしても観たいという映画がない。あまり評判となっていないが、私の知る限り唯一、日経新聞「シネマ万華鏡」で★★★★評価をしていたし、しかも大好きな3D上映という…

歌舞伎座さよなら公演 「勧進帳」

歌舞伎座さよなら公演・九月大歌舞伎は、幸四郎と吉右衛門の舞台。夜の部を観てきた。七代目幸四郎の没後60年に因み、名優の面影を偲ぶ舞台「勧進帳」。この「勧進帳」を観るのは、今回で何度目となるのか。でも、何度観てもあきない。弁慶の忠誠、主役ふた…

「ココ・アヴァン・シャネル」

”田舎のナイトクラブからパリへ、そして世界へー コネクションも財産も教育もない孤児院育ちの少女が、 世界の<シャネル>になるまでの物語” 原題も“アヴァン”が付いているとおり、世界のシャネルになる前(アヴァン)のココの物語。それはまた、どのように…

「ヒッチコックに進路を取れ」

私が最も崇拝している映画監督ヒッチコックの作品について、最強ヒッチオタクのふたり イラストレーターの和田誠と 映画評論家の山田宏一が 熱く楽しく語る対談集(2009年8月 草思社刊)。でてくる、でてくる、関連する映画の題名や俳優名。ともかくふたりの…

DVDオペラ・コレクション1号「カルメン」

ミュージカル・歌舞伎・クラシック音楽が大好きな私でも、オペラはちょっと苦手。だからビゼーの傑作オペラ「カルメン」を知ったのも、映画だ。中学生のころ観たオットー・プレミンジャー監督の映画「カルメン」。ポピュラー歌手のドロシー・ダンドリッジと…

「96時間」

映画の題名に”数字”がつくものは?最近では「その土曜日、7時58分」、古くは「七人の侍」「第三の男」「2001年宇宙の旅」などの名作や「007」シリーズ、数字だけの「8 1/2」なんていうのもある。だがちょっと調べてみると、非常に少ないことがわか…