映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年のベスト映画10本

<今年映画館で観た映画のベストテン>1.「6才のボクが、大人になるまで。」(リチャード・リンクレイター) 2.「紙の月」(吉田大八) 3.「グランド・ブダペスト・ホテル」(ウェス・アンダーソン) 4.「インターステラー」(クリストファー・ノー…

「ゴーン・ガール」

結婚5周年の記念日に妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪する。 夫のニック(ベン・アフレック)は警察に届け出るが、全米から注目が集まり、ニックへ疑いの目が向けられる。 テレビ報道によって、私生活が次々と暴かれ、加害者・被害者が転々として…

「6才のボクが、大人になるまで。」

6歳の少年(右ちらしの写真がファーストシーン)の成長とともに、同じキャストで12年にわたって撮り続けたという異色の劇映画。 このような斬新な映画を初めて観た。 驚きと感動がいっぱい。12年にわたる物語なのだから、普通なら「6歳」とか「7歳」とかクレ…

「紙の月」

バブル崩壊後の1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梨花(宮沢りえ)が、大学生(池松壮亮)と不倫関係に。 その快楽のため、いつしか顧客の金に手をつけていく・・・。観客は次第に主人公と同化し、どうみても破滅しかない最後に向かって、終始ド…

「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」展

大好きな映画「エターナル・サンシャイン」の監督ミシェル・ゴンドリーの展覧会が、現代アートの殿堂・東京都現代美術館で開催されているというので行ってきた。 入口は、ビデオショップがお出迎え。 映画「僕らのミライへ逆回転」の舞台そのままに、ワクワ…

「インターステラー」

「ダークナイト」や「インセプション」で魅せた驚異の映像作家クリストファー・ノーラン監督の見応えある本格SF映画だ。食糧難と環境変化によって絶滅の危機に瀕した人類を救うため、愛する家族を地球に残して未開拓の恒星間(インターステラー)に旅立つ物…

追悼 高倉健さん

思いだすのは、東映任侠映画での孤独で寡黙な男。しびれた!

「まほろ駅前狂騒曲」

舞台である「まほろ駅」には毎週2回ほど降りてコントラクトブリッジ競技会に行っている。 原作小説「まほろ駅前多田便利軒」発売以来の三浦しをんファン。 映画化1作目も、大根仁監督によるTVシリーズもリアルタイムで全作観ている。 だから、この映画化第…

BIWAKOビエンナーレ

3回連続で美術の話題。 琵琶湖のほとり、近江八幡市で開催中の現代アートの祭典、 「BIWAKOビエンナーレ2014」へ行ってきた。近江八幡の空き町家や元造り酒屋など主に江戸期の建物を会場とし、それぞれの作家がアート作品展示を行っている。 そのことによっ…

赤瀬川原平さんを偲ぶ

赤瀬川原平さんが、昨日亡くなった。多彩な顔をもったひと ・前衛芸術家 ・有罪判決が確定した刑事被告人 ・漫画家 ・芥川賞作家(尾辻克彦) ・カメラ愛好家で写真家 ・日本アカデミー賞脚本賞を受賞した映画脚本家私の愛読書は、「新解さんの謎」、「老人…

日本のベスト美術館

美術の秋、久しぶりに美術の話題を。 雑誌「Casa BRUTUS」今月号は、「日本のベスト美術館と世界の最新ミュージアム」特集。この雑誌で建築・アート関係者20人が選んだ”日本のベスト美術館”は、 建築部門が「金沢21世紀美術館」 展示部門が「ベネッセアート…

「ジャージー・ボーイズ」

大ヒットした同名のブロードウェイ・ミュージカルを、クリント・イーストウッド監督が、楽しそうに映画化している。 お若いですね。1960年代のポップスグループ”ザ・フォー・シーズンズ”。 非行少年たちのサクセス・ストーリーなのだが、そこには、決別・栄…

「イーダ」

先月、瀬戸内海に浮かぶ小さな島「直島」に旅し、現代アートを浴びるように鑑賞してきた。 多くの発見があり、杉本博司のアート作品「松林図」に、モノクロ写真の不思議な魅力に圧倒されたのもそのひとつ。この映画も全編モノクロで、その画面は落ちついた静…

「舞妓はレディ」

「シコふんじゃった」など題名にもセンスが伺える周防正行監督作品としては、今回は変な題名だと思っていたら、「マイ・コア・レディ」だった。 田舎なまりの娘と言語学者、そう「マイ・フェア・レディ」。 アスコット競馬場デビューでの扮装や有名な歌曲”ス…

「サンシャイン/歌声が響く街」

”英国の大ヒットミュージカルの映画化” というので、ミュージカル・ファンのひとりとして見逃せない。アフガニスタンでの兵役を終えた二人の若者が、スコットランドの田舎町リースに帰って来る冒頭の場面で、美しい街並みや幸せそうな街の人々が映しだされる…

「イントゥ・ザ・ストーム」

右図の宣伝用チラシから、人間よりストームが主役だとわかる。 「怪物」としているのは、同時期公開の「ゴジラ」を意識してか?チラシ裏面は、 「超・体感型ムービー誕生! 前代未聞の怪物のど真ん中に”イントゥ”せよ! ▽ 想像してください。 超巨大竜巻の”…

「GODZILLA ゴジラ」

あ〜、観るんじゃなかった。渡辺謙が、ハリウッド出演をオファーされた時に「原発や放射能といった今の日本の問題が反映されていて、単なる怪獣映画ではなかった。それで”これはやるべきだ”と思った。」と語っていたので、それなりに期待していた。だが、典…

「トランスフォーマー/ロストエイジ」IMAX3D字幕版

猛暑も、ぶっ飛ぶ。長編劇映画では史上初という全篇「IMAXデジタル3Dカメラ」で撮影された映像に驚く。 巨大ロボットの大きさそのまま迫ってくるスケール感、最重要ポイントである金属触感、雄大な自然描写、上空ヘリから・左右からのクレーン撮影など、ヴ…

「罪の手ざわり」

中国のジャ・ジャンクー監督が、「長江哀歌」以来7年ぶりに手がけた作品。 タイトルで、「オフィス北野」のロゴがでてきて、日本との合作映画とわかる。中国資本だけでは製作不可能な題材であろう。良き映画造りに参画した。中国で実際に起きた事件から着想…

「ぼくたちの家族」

「川の底からこんにちは」、「あぜ道のダンディ」と、地方のコミカルな味から一転し、前作「舟を編む」では辞書編纂に携わる人々に敬意を表しながらの地道なドラマ作りに成功した石井裕也監督。 監督(脚本も)最新作「ぼくたちの家族」は、家族の物語を正攻…

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」3D・吹替版

長いカタカナ邦題なので、安易に原題をカタカナにしただけと思ったら、映画の原題は「EDGE OF TOMORROW」。 邦題は、桜坂洋の原作題名をカタカナにしたものだった。主人公ケイジ少佐(トム・クルーズ)が、特殊部隊の軍人リタ(エミリー・ブラント)に”リセ…

「ブルージャスミン」

毎週楽しみにしているテレビ番組、BS日テレの「久米書店」。 今週は、千住博の「芸術とは何か」。 ”芸術とは、人と人とのコミュニケーション。人間どうし仲良くやる知恵”と、熱く語っていました。”人と人とのコミュニケーション”を描かせれば、ウッディ・ア…

「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」

ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件直後4日間の人間模様をドキュメンタリータッチで再現してみせる。原作は、元検察官で三度もエドガー賞を受賞したというヴィンセント・ブリオシ。 監督は、元ニューヨークタイムズ誌記者で、本作で監督デヴューのピーター・…

「グランド・ブダペスト・ホテル」

独特の作風をもつウェス・アンダーソン監督が、高級ホテルのコンシェルジュ(レイフ・ファインズ)と、彼を慕うベルボーイが繰り広げる冒険を描いた軽快なミステリー・コメディー。エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウなど豪華キ…

「X-MEN:フューチャー&パスト」

今年のトニー賞授賞式生中継をWOWOWで観て、そのオープニングに驚いた。 司会のヒュー・ジャックマンが、”ピョンピョン”ダンスしながら、会場外から中に入り、ステージへ上がり、さらに楽屋裏へと・・。ずっと飛び跳ね続けるのだ。 ミュージカル作品のアンソ…

「ポンペイ」

予備知識もなく時間つぶしに観たのだが、おもしろかった。 劇場は3D上映がなく2D版だったが、3Dで観るべき作品。 監督は3Dがお得意のポール・W・S・アンダーソン。宣伝用ポスターには、”「バイオハザード」監督最新作”というキャッチコピーで異例の扱…

「アナと雪の女王」日本語吹替版

日本歴代3位の興行収入となり記録的な大ヒット。 劇場は公開から3か月というのに、ほどほどの入り。 前回の「字幕版」から、今回は「日本語吹替版」で鑑賞。これは、びっくり。「日本語吹替版」が凄い。 ネットで有名となった松たか子の「Let It Go〜ありの…

「家族の灯り」

今から50年も昔、私が高校生だった頃、東京で開催されたイタリア映画祭に行った。 その時に会ったのが当時CCの愛称で大人気女優のクラウディア・カルディナーレ。 彼女を身近で見ることができて、美女にうっとり、彼女が発するオーラにびっくり仰天、心臓が…

「あなたを抱きしめる日まで」

本年度アカデミー賞4部門ノミネートされたイギリス映画。50年前に生き別れとなった息子を捜すために旅立つアイルランド人の主婦を演じるジュディ・デンチが、一途な老女を熱演している。 息子を一緒に探す記者との会話に味わい。 静かだが、苦しみと許しを…

「テルマエ・ロマエII」 2

もうひとつポスター(写真)を紹介する。「ターミネーター2」のパロディー版。 キャッチコピーは、アーノルド・シュワルツェネッガーが言った名セリフ「I'll be back」をもじって、 ”また、来ちゃった。”