映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2007-01-01から1年間の記事一覧

2007年のベスト映画10本

今年1年間で私が観た映画は69本。 うち映画館で47本。 BS・CS放送とDVDで22本。ベスト1映画は、 ギレルモ・デル・トロ監督作品 「パンズ・ラビリンス 」 圧倒的な美しい映像表現に酔った。 ドラマ展開もテーマも重い感動の衝撃作。私の選んだ…

定年退職しました

この12月で40年のサラリーマン生活を終えた。山あり谷ありの40年間だったが、苦難の時に上司か同僚の誰かが助けてくれたのが、会社組織のいいところ。そして、気分が落ち込んだときに助けてくれたのがジョン・ウェイン主演の映画「駅馬車」(1939年。ジョ…

カンナさん大成功です!

体重95kg.の主人公カンナが選んだ命を賭けた選択、それは全身整形。原作は鈴木由美子の同名コミック。整形天国といわれる韓国で映画化というのが大成功です!主演のキム・アジュンは、モデルから女優に転向し、今回が初主演。ともかく可愛い。整形前のカン…

夜顔

”女という存在は自然が生んだ、最大の謎だ。 世界の巨匠、オリヴェイラ監督が贈る、 「秘密」と「欲望」についての考察 60年代の衝撃作「昼顔」の登場人物たちの 38年後---”日経新聞に寄稿している映画評論家中条省平が「信じられない傑作」として本年度ベス…

映画業界の「53年問題」

" 「シェーン」著作権消滅 53年映画 文化庁のミス確定 ” (07.12.19.日経新聞朝刊記事の見出し)1953年公開の米映画「シェーン」の著作権が争われた訴訟で、昨日最高裁は「公表後50年を経過して著作権はすでに消滅している」との判断を示した。 背景に…

文楽「新版歌祭文」

人形浄瑠璃・文楽の人形は基本的に、一体を3人で遣う。 首(かしら)と右手を担当する「主遣い(おもづかい)」、左手担当の「左手遣い」、足担当の「足遣い」だ。 これが三位一体で動く。 足遣い10年、左手遣い10年、主遣い10年の経験を経て初めて一…

ALWAYS 続・三丁目の夕日

【画像:38771.jpg】 封切りから5週目でも週末興行成績第1位となっている映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」をやっと観た。 良質で評判が良い映画なので、それが口コミでも広がり、ロングラン・ヒットとなっているという。 この続編は前作から4ヵ月後、東京タ…

椿三十郎

【画像:38770.jpg】 黒澤明の「天国と地獄」「生きる」が9月にテレビ・リメイクされたが、今度は映画でのリメイク。 監督は「家族ゲーム」(83年)の森田芳光。 藩の不正に立ち向かった9人の若侍を助ける浪人・椿三十郎を描く痛快時代劇。 この映画は、私…

「ベオウルフ」をデジタル3D版で観る

【画像:38768.jpg】 「ベオウルフ」はアンジェリーナ・ジョリーが裸体を披露することで話題になっているが、実はすべてがデジタル画像。 いわばCGアニメだったのだ。 なぜ全編デジタル処理かといえば、新プレミアム立体映像の「デジタル3D」作品として…

アポカリプト

【画像:38767.jpg】 今月新発売されたDVDから、この1本。 村を襲撃した部族からの逃亡と戦いを描く。 監督がメル・ギブソンだけに、キリストの受難をリアルに描き騒然となった「パッション」と同じタッチ。 舞台となるマヤ文明後期の再現、当時の生活描写…

ニュー・シネマ・パラダイス

映画を愛する者にとって忘れられぬ名作。 歴代ミニシアター興行成績第1位。 今年「題名のない子守唄」でいまだに健在ぶりを示したジュッゼッペ・トルナトーレ監督の代表作。 といえば、もちろんイタリア映画 「ニュー・シネマ・パラダイス」(88年)。 今月…

ディスタービア

【画像:38765.jpg】 部屋から出られない主人公が暇つぶしに双眼鏡で近隣を覗き見し、殺人犯を見つけてしまう。 美人の恋人と追跡や侵入を試み、やがて、殺人犯は主人公に迫ってくる・・・ といえば、ヒッチコック監督の「裏窓」じゃないか。 この映画、まさ…

ボーン・アルティメイタム

【画像:38764.jpg】 シネコン映画館切符売り場の前は、女子中高生がいっぱい。 お目当てはケータイが生んだ映画「恋空」。 この映画、話題の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を抜いて大ヒット中なのだ。 その切符売り場の中を並んで、私が観たのは、 「ボ…

最もセクシーな男性

【画像:38763.jpg】 米芸能誌ピープルが14日、恒例の2007年の「最もセクシーな男性」に、米男優の マット・デイモン(37歳) を選んだことが報じられた。 同誌では過去、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが2度選ばれている。 マット・デイモ…

吉例顔見世大歌舞伎

【画像:38762.jpg】 今月の歌舞伎座は、 ”吉例顔見世大歌舞伎”。 この興行タイトル「顔見世」は、江戸の芝居小屋が、契約初年度が始まる11月に専属役者の顔を見せるという華やかな行事が起源。 歌舞伎座で夜の部を観に行った。 歌舞伎独特の演出に「だんま…

モスラの精神史

小野俊太郎著の本「モスラの精神史」(講談社現代新書。07.7.20.刊)は 「1961年の7月30日、モスラは飛んだ。」 で始まる。 読み始めると、なに!なに!新しい発見に驚きの連続だ。 【画像:38761.jpg】 東宝映画「モスラ」といえば、私は、あのピーナッツが…

パンズ・ラビリンス

【画像:38760.jpg】 映画でしか表現できない世界というものがある。 ラビリンス(迷宮世界)を描くダーク・ファンタジー映画「パンズ・ラビリンス」は、陰影を強調した独自のビジュアルが美術と音楽、ドラマと見事に融合してできた本年屈指の感動作である。…

クワイエットルームにようこそ

【画像:38759.jpg】 "クワイエットルーム"とは、 精神病院の隔離病棟のこと。 ビールといっしょに睡眠薬を大量に飲んだフリーライター(内田有紀)が見た病院内患者をヒューマン・ウォッチングするコメディー映画。 だが、ただのコメディーに終わらせないの…

「ソバ屋で憩う」

蕎麦屋めぐりのバイブル本がある。 北斎を描いた傑作漫画「百日紅」など漫画家としての活動を引退し、江戸風俗研究家としても有名だった杉浦日向子とソ連(ソバ好き連)編著の「ソバ屋で憩う」(新潮文庫,1999.11.1刊)である。 数年前、十社の出向者で仕事…

秋日和

この季節、秋になると、むしょうに小津安二郎監督の映画が観たくなる。 私が学生時代に封切りで観ていた小津作品が「彼岸花」「秋日和」「小早川家の秋」「秋刀魚の味」というように”秋”が連想されるからだろうか。 ということで、DVDで「秋日和」を観る…

ヘアスプレー

【画像:38754.jpg】 ミュージカル大好きな私には、 大いに楽しめた作品。 時は1962年、 場所は黒人が2/3を占める町ボルチモア。 大好きなテレビの音楽番組に出演することが夢というおデブな女子高生を演じる新人ニッキー・ブロンスキーが愛らしく、明るく…

大統領暗殺

【画像:38753.jpg】 ブッシュ大統領が狙撃された! という架空の設定で作られたシュミレーション 映画。 実際のブッシュ大統領が登場し、暗殺される。 いまや本人が映画出演しなくとも、完璧ともいえいえるほど映像化が可能な世界に、改めて驚く。 さて、暗…

キングダム/見えざる敵

【画像:38752.jpg】 9・11同時多発テロの実行犯19人のうち15人がサウジアラビア出身といわれたが、そのサウジアラビアの外国人居住区でテロ事件が起きる。 派遣された4人のFBI捜査官とテロリストの攻防戦を描くアクション映画。 臨場感ある銃撃戦と派手…

不都合な真実

【画像:38751.jpg】 ノーベル平和賞に前米副大統領のアル・ゴア氏とIPCCが選ばれた。 地球温暖化問題でゴア氏の講演を映画にした「不都合な真実」は全世界で反響を呼んだ。 このことも受賞に大きく貢献したのだろう。 映画のほうは私は今月しんゆり映画…

瀬戸内寂聴著「秘花」

”花とは一口にいえば何なのでしょうと訊いた時に、 「色気だ。惚れさせる魅力だ」 とお答えになった。 「幽玄」とは、とつづけて問うと、 「洗練された心と、品のある色気」 と答えられた。” 室町時代の能楽師・世阿弥(ぜあみ)が、「風姿花伝」奥儀で、「…

ディレクターズ・カット版

劇場公開版とは異なるDVDが発売されることがある。 「ディレクターズ・カット」とか「完全版」など呼び名は違うが、要は映画プロデューサーによって不本意な編集をされた監督が、当初劇場公開されたバージョンとは別に、改めて編集したものだ。 ハリウッ…

しんゆり映画祭

【画像:38748.jpg】 今日”しんゆり映画祭”に行ってきた。 小田急線新百合ヶ丘駅には、今村昌平監督が作った日本映画学校がある。 川崎市が「芸術のまち構想」の一環として始まったこの”しんゆり映画祭”は13回目で、街ぐるみのイベントとして定着してきた…

めがね

【画像:38747.jpg】 ヒット作「かもめ食堂」のスタッフらが再び集結して作った最新作「めがね」が、これもヒットしているという。 先週末の映画興行成績では、1スクリーンあたりでみると、1位が「HERO」で 2位がこの「めがね」。 小さくてしかも少な…

文楽で見る「夏祭浪花鑑」

東京で文楽公演の切符を手に入れるのは大変だ。 今回なんとか手に入れて、国立劇場(小劇場)へ。平日昼の部だというのに、満席。 見たのは「夏祭浪花鑑」の通し狂言。 この演目は歌舞伎のほうでは海外公演でも評判をとった中村勘三郎の十八番。 私は文楽の…

題名のない子守唄

【画像:38744.jpg】 久しぶりに観たイタリア映画に、 驚いた! 「ニュー・シネマ・パラダイス」(89年)など”郷愁をかきたてる映画作りの達人”ジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作は、息詰まるサスペンスとミステリアスな展開で121分間、緊張の連続だ…