映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

歌舞伎座さよなら公演「義経千本桜」

歌舞伎座入り口横に設置された残日数表示版も、あと残り200日を切った。現存の歌舞伎座とお別れがだんだん近づいてくるのを実感する。

10月の歌舞伎座、夜の部を観てきた。
今回もほぼ満席だ。

通し狂言義経千本桜」後半は狐忠信の話。
狐忠信というと、どうしても20年前の猿之助の舞台を思いだす。
親を慕う子狐の心情を身体全体で表現し、最後には宙乗りまでやってのけて、最初に観た時は、もうびっくり。
歌舞伎とは、感動的で、しかもこんなに面白いものだったのか!

今回の舞台は、狐忠信を菊五郎が演じる。
猿之助と違い、もとより宙乗りや欄干回りといった観客をあっと驚かせるケレン味はないが、子狐(忠信)が親を思う情感をたっぷりと表現していた。吉野山の道行からの情感が最後まで途切れない見事な舞台だった。