映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2006-01-01から1年間の記事一覧

2006年のベスト映画10本

今年1年間で私が観た映画は82本。 うち、映画館で47本。 BS・CS放送やWOWOWなどテレビ放映で23本。 DVDで12本。 結局ビデオでは1本も観なかった。 来年も観なければ大量に保存されているビデオテープは処分しよう。 地上波テレビで放…

今年のベスト本10冊

今年1年間で読んだ本はちょうど100冊。 今週はじめで98冊だったので、すぐ読めそうな佐伯泰英の時代小説と群ようこのエッセイを読みジャスト100冊達成。 私の2006年ベスト本10冊(読書日順) 村上 龍「半島を出よ」 筒井康隆「銀齢の果て」 <2月2…

武士の一分

【画像:38671.jpg】 ”譲らない心。 譲れない愛。 人には命をかけても守らなければならない 一分がある。” 今年の邦画は泣ける映画が多かったが、 山田洋次監督「武士の一分」は、 さわやかに泣ける。 ほとんど出ずっぱりの主人公(木村拓哉)の心情と行動を…

「あなたに不利な証拠として」 <このミステリーがすごい!>

ミステリー小説ファンが気にしている「このミステリーがすごい!BEST10」と「週刊文春ミステリーベスト10」が発表された。 このふたつの賞は最近では似かよった結果となることが多く、それぞれの特色が薄れてきている気がする。アンケート投票による…

硫黄島からの手紙

【画像:38669.jpg】 クリント・イーストウッドは、硫黄島での戦闘をアメリカ側から描いた「父親たちの星条旗」の監督オファーが来たとき、日本人側から描く「硫黄島からの手紙」を製作させることを条件に監督を引き受けたそうだ。 それほど、情熱を注いで作…

「きょうの猫村さん」

わが娘がハマッているコミック「きょうの猫村さん」第1&2巻(マガジンハウス)を読んだ。 一度ハマッてしまうと猫村さんのとりこになり、しばらくは寝てもさめても猫村さんのことが忘れられないと娘がいう。 このコミックは、作者の ほしよりこ がネット…

この恋愛小説がすごい! 「ナラタージュ」 

ナラタージュ=映画などで、主人公が回想の形で過去の出来事を物語ること。 03年高校在学中に芥川賞候補になって話題の人になり、 宝島社の「この恋愛小説がすごい! 2006年版」においては堂々の第1位となった島本理生のロンセラー小説「ナラタージュ」(角…

007/カジノ・ロワイヤル

【画像:38666.jpg】 厳しい映画批評をする日経新聞「シネマ万華鏡」で、★★★★★(今年有数の傑作)の評価を受けた作品。 なるほどまったく新しい、しかも007映画の面白さをふんだんに踏襲した力作だ。 「カジノ・ロワイヤル」は、イアン・フレミングによる…

日本映画賞は「フラガール」が先行。逃げ切りか?

2006年日本映画賞のトップを切って「報知映画賞」、続いて「日刊スポーツ映画大賞」が発表された。 両賞とも「フラガール」が作品賞をとり、早くも今年の映画賞の最有力作品となった。 【画像:38665.jpg】 報知映画賞では、作品賞のほかに助演女優賞(蒼井…

「仏像」展 一木にこめられた祈り

上野の東京国立博物館で「仏像」展を見てきた。 お目当ては、向源寺の十一面観音菩薩立像(国宝)。 今から20年ほど前に、滋賀の渡岸寺でこの観音像を見て、慈悲深い表情、ふくよかですらっとた姿のあまりの美しさに感動した。 その感動を木版画(右の写真…

「イレギュラー」

"素質だけは全国レベル、態度ならメジャーレベルの豪腕高校生ピッチャー・コーキは、強豪野球部K高にプライドを蹴散らされ、真剣に野球に取り組みはじめた。だが思ってもみなかった事件がコーキたちに降りかかる!” 新鋭の三羽省吾が描く野球小説「イレギュ…

プラダを着た悪魔

【画像:38661.jpg】 "ファッション界に君臨する女王 VS.努力とやる気だけの新人 ベストセラー小説が待望の映画化” 生き馬の目を抜くといわれるファッション雑誌業界に飛び込んだ若い女性の奮闘と成長を描いたコメディー映画「プラダを着た悪魔」。 主役のア…

手紙

【画像:38660.jpg】 秋の日本映画は”泣ける”がキーワード。 そのなかの1本、「手紙」(生野慈朗監督)を選んだ。 携帯電話全盛の時代、携帯では伝えられない場所 がある。 殺人事件を犯し刑務所に服役中の兄(玉山鉄二が 泣かせる)への通信手段は「手紙」…

「へうげもの」 第2・3巻

”日本史史上最大の謎<本能寺の変> その新解釈に刮目せよ。” (第3巻の広告文より) 山田芳裕のコミック「へうげもの」のテーマは「物欲」である。 戦国武将のかっこよさに美学を見いだし、徹底的に武将の美意識を描いている。 視点のユニークさと迫真の描…

「へうげもの」 第1巻

”下剋上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。 織田信長の家臣・古田左介(のちの古田織部)である。 希代の天才・信長に世界性を、茶の湯の革新者・千宗易(利休)には深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた…

日本で見られる世界の名画ベスト100

”日本には世界的な名画(絵画)が驚くほどたくさんある。 世界中の人々が鑑賞に訪れるキラ星のごとき100枚を隠された100の物語とともに紹介。” 雑誌「日経おとなのOFF」11月号に「日本で見られる世界の名画ベスト100」が掲載されている。 なる…

虹の女神

【画像:38656.jpg】 ”普段なかなか気づけない大切な気持ち、 そんな気持ちに気づかせてくれる映画” (熊澤監督のコメント) 「スウィングガールズ」で吹き替えなしで見事にジャズを演奏してみせた上野樹里。 「フラガール」で、最後にソロでフラを見事に踊…

処刑御使

【画像:38655.jpg】 "伊藤博文絶対絶命! その密使は、時空を超えてやってきた。 朝鮮を侵略した仇敵を抹殺するために―" 幕末の動乱期。16歳の伊藤博文と、密かに彼の命を狙う「処刑御使」と名乗る朝鮮の謎の暗殺団との壮絶な闘いを描く伝奇時代小説。 荒山…

クリント・イーストウッド賛

今週のNHK「BS映画劇場」は、クリント・イーストウッド特集。 私がクリント・イーストウッドを初めて観たのは、テレビ人気シリーズ「ローハイド」でのロディ役。 毎回彼が巻き起こす騒動ぶりが、このドラマを面白くしていた。 映画初出演の「荒野の用心…

父親たちの星条旗

【画像:38652.jpg】 ”戦争を終わらせた一枚の写真。その真実。” 1945年2月、伝説的な報道写真「硫黄島での国旗掲揚」に写された英雄たちを主人公に、米軍最大の犠牲者を出した硫黄島の戦いをアメリカ側の視点から描く「父親たちの星条旗」。 この一枚の写…

ブラック・ダリア

【画像:38651.jpg】 ”世界一有名な死体、 世界一忌まわしい謎。” 時代は1947年、場所はロサンゼルス、郊外で惨殺死体が発見された。被害者はハリウッドスターを夢見る黒髪・黒いドレスの女で、人は「ブラック・ダリア」と呼んだ。 同名の原作は、この実際の…

どうせ生きるなら <巨泉の修正宣言>

【画像:38650.jpg】 大橋巨泉著「巨泉 人生の選択」(講談社。2000年刊)では、 「好きに生きてこそ人生だ! 56歳でセミ・リタイアメント。 春・秋は日本、夏はカナダ、冬はオセアニアに住む快適生活。 巨泉流生き方のすすめ。」 発売当時おもわず「うらやま…

日本四大絵巻と映画界

日本四大絵巻と称される『源氏物語絵巻』『伴大納言絵巻』『信貴山縁起絵巻』『鳥獣人物戯画』はいずれも平安時代末期、12世紀の作。 これらの作品は、現存する絵巻物の最古の作品群であるとともに、芸術的にも最も高く評価されている。 「源氏物語絵巻」は…

伴大納言絵巻 <新たな発見、深まる謎>

出光美術館の開館40周年特別企画「国宝 伴大納言絵巻展」へ行ってきた。 全3巻の一挙公開は10年ぶりということもあって大変な人気だ。 上巻1巻を見るだけで1時間以上は覚悟しなければならない盛況ぶり。 この絵巻は、伴大納言が応天門に放火をしたとい…

「西部劇を見て男を学んだ」

「アメリカ人の健全なフロンティアスピリットが息づいていた」1950〜60年代は西部劇映画の全盛期だった。その「西部の男たちの後ろ姿を見ながら、男たるべき生き方を学んだ。」という本がある。 題名もずばり「西部劇を見て男を学んだ」(祥伝社新書。…

時をかける少女

【画像:38647.jpg】 7月封切られ、都内で唯一の上映館だったテアトル新宿では、連日の立ち見、評判が評判を呼び、以後全国60館に拡大上映、現在なお40館以上で上映中という、アニメ映画「時をかける少女」(細田守監督)をやっと観ることができた。 筒…

「一応の推定」

第13回(2006年)松本清張賞受賞作である 広川純著の小説「一応の推定」(文芸春秋社。06.6.10刊)を読んだ。 クリスマスの日、JRの駅で轢死した男性。 事故なのか、それとも自殺なのか。 彼には愛しい孫娘がいて、莫大な海外での手術費用が必要だった。 …

動画ネット配信を楽しむ

インターネットを使って動画を流すサービス競争が激化している。 これまでは、先行の「GyaO(ギャオ)」サイトの独壇場であった。映画放映も充実しており、たとえばミュージカル映画「オペラ座の怪人」(04年)が10月1日正午まで無料で観れるといった具合…

フラガール

【画像:38645.jpg】 石炭から石油へのエネルギー革命が進む 昭和40年、 本州最大の常磐炭鉱に”ハワイ”が誕生。 フラダンスで町を立て直す! 40年の時を越え語られる奇跡の実話。 昭和が舞台設定といえば、なつかしい時代を描いた大ヒット作「ALWAYS 三…

題名の意味とは? 「仮名手本忠臣蔵」

大阪竹本座で人形浄瑠璃の作品として初演された「仮名手本忠臣蔵」。 この外題(題名)にはどういう意味があるのだろうか。「仮名」は、いろは仮名四十七文字が赤穂浪士四十七士を連想。 また、実名を出すのは禁止の時代だったので、大石内蔵助を大星由良助…