映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「銀齢の果て」

筒井康隆の爆笑小説「銀齢の果て」(新潮社。06.1.20刊)を読んだ。 93年に高校国語教科書掲載をめぐるてんかん差別問題で一時断筆宣言した著者の老人差別を痛烈に批判した問題作である。老人版「バトル・ロワイヤル」で、一気に読ませる。 表紙は、登場人…

ウオーク・ザ・ライン/君につづく道

今週の私の勤務時間終了後アフター5は、月曜スポーツクラブ、火曜麻雀、水曜再び麻雀、木曜は映画、金曜飲み会。今週も充実(?)した一週間。 今週観た映画は「ウオーク・ザ・ライン/君につづく道」 プレスリーと共に、50年代にロカビリーの黄金時代を築…

歌舞伎、恐るべし

本日、歌舞伎座で二月大歌舞伎・昼の部を観て来た。 坂田藤十郎襲名披露公演が終了しても、ほぼ満員の客席で、歌舞伎人気は衰えていない。 「極付 幡随長兵衛」の幕があがると、そこは江戸歌舞伎の村山座。当時の芝居小屋そのままに、荒事が演じられる。長兵…

クラッシュ

本年度アカデミー賞・主要6部門ノミネート作品。 「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家、ポール・ハギスの初監督作品。これは感動作である。アカデミー賞作品賞・脚本賞の最有力候補に間違いない。 ロスアンゼルスを舞台に、いろいろな人種の人々が織りな…

キネマ旬報ベストテン

毎年この季節になると、映画雑誌「キネマ旬報・2月下旬決算特別号」が書店に平積みされる。私のように、この号だけは毎年購入するひとが多いので平積みとなる。 目的は、ベストテンの発表だ。2005年度ベストテン第1位は、日本映画が「パッチギ!」、外…

フライトプラン

映画「フライトプラン」の昨日の新聞広告はこうだ。「早くも国内動員130万人突破!衝撃の<真実>に列島激震!」「上空1万mの密室に展開するミステリーとアクションに手を汗握る!」 この広告文は問題である。この映画を、ミステリー(=謎解き)映画と…

ゴジラの映画音楽

昨日、作曲家の伊福部昭さんが亡くなった。91歳だった。 日経新聞の死亡記事には「映画「ゴジラ」音楽作曲 伊福部昭氏死亡」という見出しにあるとおり、若くして国際的な注目を集めた作曲家であるが、 300本を超える映画音楽を手がけ、有名なのが、映画…

映画を安く観る方法

今日の日経新聞朝刊に「映画を見るなら割引で。劇場はサービス強化」という記事があった。 映画の日割引、夫婦50割引等のほか割引券活用など割引制度の多様化について書かれている。 私の場合は、60歳以上なのでシニア割引で1000円。会社からの帰宅…

長部日出雄著「天才監督木下恵介」

長部日出雄の「天才監督木下恵介」(新潮社)を読んだ。 昨年松竹から木下恵介の全49作を収めたDVDーBOXがデジタルリマスター版で発売され、再発見の機運が高まっているとき、時期を得た出版である。 国策映画を子を思う母の姿一点にしぼった「陸軍…

ミュンヘン

今日が封切り初日ということもあって、ほぼ満員の映画館で観た。 アカデミー賞授賞式が近づくと、その日までに作品賞候補作品は見ておいたほうが、WOWOWで生中継される授賞式をより楽しめるはずだ。「ミュンヘン」は、作品賞・監督賞・脚本賞など5部門…

博士の愛した数式

「雨あがる」(2001年)、「阿弥陀堂だより」(2002年)の小泉尭史監督&寺尾聡主演コンビの最新作。この3作品で、美しい自然と心温まる作風がすっかり定着したようだ。 「阿弥陀堂だより」では、信州の四季を丁寧に描いて、ドラマに奥行きを与えて…