映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

舞台を楽しむ

「The King and I 王様と私」

渡辺謙とケリー・オハラが主演し、トニー賞4部門に輝いた名作ミュージカル舞台が今年の夏に東急シアターオーブで凱旋公演したばかり。 2018年8月のロンドン・パラディウム劇場での公演の生中継映像を収録した映画が公開。音響の良い映画館の大スクリーンで鑑…

国立劇場2月文楽公演「平家女護島」

国立劇場開場50周年記念2月文楽公演は、近松門左衛門名作集。「曾根崎心中」と「冥途の飛脚」は何度か鑑賞してきたので、今回は第一部「平家女護島(へいけにょごのしま)」を鑑賞。 「平家物語」や能「俊寛」などでも取り上げられてきた近松晩年の時代物。”鬼…

歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」 今月の主役は加古川本蔵

国立劇場・歌舞伎公演「仮名手本忠臣蔵・第3部」を観てきた。 3か月連続での”完全通し”狂言で、12月は、全十一段のうち、八段目(道行)から十一段目(討入り)までの上演。今月「第3部」のキーパーソンは、九段目(山科閑居)の「加古川本蔵」である。桃…

歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」 おかる勘平が主役なのは何故か?

国立劇場・歌舞伎公演「仮名手本忠臣蔵・第2部」を観てきた。 3か月連続での”完全通し”狂言で、今月は2か月目。11:00開演で16:15終演なので、今月も5時間15分(休憩を含む)。 全十一段のうち、道行から五段目、六段目、七段目の上演で、 すべて”おかる…

国立劇場10月歌舞伎公演「仮名手本忠臣蔵」

国立劇場の開場50周年記念・10月歌舞伎公演は、 ”待ってました!” 通し狂言「仮名手本忠臣蔵」。ただの通し狂言ではない。 今月から3か月連続で、上演可能な場面をすべて網羅した”完全通し”狂言なのだ。 その「第1部」の今月は、全十一段のうち大序から四段…

国立劇場9月文楽公演「一谷嫩軍記」

国立劇場開場50周年を記念する文楽公演の第一弾は、通し狂言「一谷嫩軍記」。 その前半の第一部を聴いてきた(文楽は”見る”といわず、”聴く”という)。源平合戦の時代を生き抜いた武将たちの熱い想いが描かれた親と子の物語。 文楽・歌舞伎では最も有名な最…

ミュージカル舞台「Tell Me on a Sunday〜サヨナラは日曜日に〜」

ミュージカル界の歌姫・濱田めぐみ芸能活動20周年記念の舞台。 濱田めぐみは、「美女と野獣」ヒロイン・ベル役で劇団四季デビュー。 そして「アイーダ」と「ウィキッド」での抜群の歌唱力に魅了されてファンになった。Wキャストの劇団四季公演では、当日…

ミュージカル舞台「南太平洋」と映画版あれこれ

今週はミュージカル舞台を二つ鑑賞した。ひとつは、「サンセット大通り」(赤坂ACTシアター)で、今回はWキャストで濱田めぐみのほうを観劇。 彼女は歌唱力抜群なのだが、いかんせん発声が若いので老いた大女優を演じるに違和感はぬぐえず、少々期待外れ。も…

吉田玉男襲名・文楽公演

年に4回開催される国立劇場での文楽・東京公演は、この10年間ほぼ毎回鑑賞している。人形遣い吉田玉女改め二代目吉田玉男の襲名披露が行われる5月公演は、チケット取るのに苦労した。 「あぜくら会員」は、一般申し込みより早く申し込みが可能にもかかわ…

帝劇ミュージカル舞台「レ・ミゼラブル」

ロンドン初演から30周年を迎えた「レ・ミゼラブル」。 帝国劇場での観劇は、これで4回目。 何回観ても、またも感動。 やはり「オペラ座の怪人」とともにミュージカル舞台の傑作だ。 映画版も傑作だが、やはり生の舞台で聴く醍醐味は格別。今回は新演出版で…

初芝居

今年の初芝居は、国立劇場で、 菊五郎劇団による「通し狂言・南総里見八犬伝」。 壮大なスケールで繰りひろげる活劇を楽しんできた。 今回は、廻り舞台を使った立ち回りと、時蔵の”剣の舞”が見せどころ。ロビーには大凧。 開演前には、恒例の獅子舞があり、…

ミュージカル舞台「ラブ・ネバー・ダイ」

アンドリュー・ロイド=ウェバーが手掛ける「オペラ座の怪人」の続編。 ファントム失踪から10年後の世界を描く。これまで日本での公演がなく、やむなくメルボルン版舞台のDVDで楽しんできたが、待ちに待ったホリプロによる日本初演!日生劇場で、本日の昼公…

歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎のみかた」「紅葉狩」

国立劇場で開催中の「歌舞伎鑑賞教室」に行って来た。第1部の「歌舞伎のみかた」が始まると同時に場内が真っ暗になり、あの福山雅治の音楽が大音響で響く。場違いな展開で、皆さんビックリ。 舞台が明るくなって、進行役の中村隼人と中村虎之介で、歌舞伎の…

歌舞伎座柿葺落五月公演「京鹿子娘二人道成寺」

歌舞伎座が新開場。 先月四月公演のお目当ては、弁慶役上演通算1100回を達成した幸四郎の「勧進帳」。 最後の「飛び六方」では、観客から手拍子が。私もつられて手拍子をしたが、熱の入ったいい舞台だった。今月五月公演「柿葺落五月大歌舞伎」のお目当…

華やかに歌舞伎座開場式

今日、新しい歌舞伎座で行われた、落成記念式典「歌舞伎座開場式」に招待された。式典は、一番太鼓が轟き、開場を記念する舞踊「寿式三番叟」が上演された。 舞台を清め、歌舞伎の弥栄を寿ぐ一幕。 翁を吉右衛門、千歳を魁春、三番叟を梅玉がおごそかに演じ…

中村勘三郎さんを偲んで

歌舞伎俳優、中村勘三郎さんが亡くなった。 57歳と、あまりに若い。勘三郎さんといえば、 どんな役にもこなす、明るく、破天荒、常に挑戦し続けた人 というイメージだ。WOWOWで録画しておいた今年4月公演の平成中村座「法界坊」を観る。 平成中村座が浅草…

ミュージカル「サンセット大通り」

十数年前、ニューヨークに行った時、グレン・クローズが演じるミュージカル舞台「サンセット大通り」が大評判だった。是非観たくてチケットを頼んだが満席で、観るチャンスを逸した。それからはCDを聴きながら、日本での公演を待っていた。 もう諦めていたが…

国立劇場・初春歌舞伎公演

国立劇場で初春歌舞伎公演を観てきた。演目は、 「通し狂言 三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」 「奴凧廓春風(やっこだこさとのはるかぜ)」お正月らしい演目は、黙阿弥の絶筆という「奴凧廓春風」。 染五郎の三段返しの舞踊劇で、曽我物…

歌舞伎「元禄忠臣蔵」

「仮名手本忠臣蔵」は、”お軽と勘平”という史実にない人物を登場させることに劇作者の心と手腕があり、ゆえに庶民に最も愛される名舞台となった。 一方、史実に近いといわれる真山青果作の「元禄忠臣蔵」にはお軽と勘平は登場せず、もっぱら大石内蔵助を中心…

国立劇場・文楽公演「奥州安達原」

文楽の東京公演(国立劇場小劇場)は、年4回しか公演されないこともあり毎回楽しみにして鑑賞している。 私のブログには新作映画優先なので、文楽鑑賞記はあまり書いてはいないが、久しぶりにアップしたくなった。今月の公演は、大夫・三味線・人形遣いとも…

「オペラ座の怪人」の舞台、凄い!

25周年を迎えたミュージカル舞台ロイド・ウェバーの「オペラ座の怪人」。 私が劇団四季の舞台を初めて観たのは、福岡に単身赴任の1996年、福岡シティ劇場。 クリスティーヌ役を鈴木京子、ファントム役を村俊英が演じた。 最初で大感激、ハマッてしまい、C…

「オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン」を映画館で観る

私の最も好きなミュージカル舞台「オペラ座の怪人」。 1986年10月、ロンドンでの初公演から25周年を迎えた。 全世界での総収入は35億ポンド(約4,200億円)を超え、歴史上のすべての映画・演劇における最高の興行収入を記録しているそうだ。 世界中で大入…

国立劇場10月歌舞伎公演

今日は、国立劇場10月歌舞伎公演 「開幕驚奇復讐譚(かいまくきょうきあだうちものがたり)」を観てきた。ちょとしたハプニングが。 尾上菊五郎が、舞台でセリフ「今日は母の命日」と言うべきところ、「今日は自分の命日」と言ってしまう。それに、菊五郎自…

亀治郎が猿之助襲名、香川照之も歌舞伎に

歌舞伎俳優の市川亀治郎が、四代目市川猿之助(えんのすけ)を襲名するという嬉しいニュースが。私が歌舞伎にはまったのは、まさに三代目猿之助の舞台だった。 大掛かりな舞台装置、宙乗り、早替わり等歌舞伎の面白さ、劇場でしか味わえないスペクタクルの魅…

三遊亭圓歌の芸「納涼名選会」

82歳となる三遊亭圓歌の評判が良いので、上野・鈴本演芸場へ「納涼名選会」昼の部に行って来た。 最初の落語、真打ちになったばかりという三遊亭鬼丸が、小田急線電車内のトラブルの新作で笑わせ、一気に盛り上がり、三遊亭若圓歌、古今亭菊之丞、柳亭市馬…

歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜・河連法眼館の場」

6月の国立劇場は、歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜・河連法眼館の場」。この歌舞伎鑑賞教室は、高校生の団体が1階座席を占めることが多いので私はいつも団体の居ない2階席を購入している。一般1等席で3800円と安価で、時間も2時間強と、気楽に楽しめるのがい…

文楽 「源平布引滝」襲名公演

国立劇場5月文楽公演・第一部に行く。竹本綱大夫改め九代目竹本源大夫、鶴澤清二郎改め二代目鶴澤藤蔵という世襲制ではない文楽の世界では珍しいらしい親子同時襲名披露口上がある。舞台には、大夫・三味線での人間国宝4名全員が揃う。挨拶は住大夫で始ま…

帝劇ミュージカル舞台「レ・ミゼラブル」

ロンドンミュージカル「レ・ミゼラブル」の25周年記念コンサート(衛星中継版)を、映画館で観て、ミュージカルのパワーに圧倒され、打ちのめされた。その後、私はロンドン・オリジナルキャストによるCDを購入し、WOWOWで再度25周年記念コンサート版を録画して…

題名の意味とは? 「心中天網島」

「心中天網島」(しんじゅう てんの あみしま)は、近松門左衛門作の文楽で、歌舞伎でもたびたび上演されている。紙屋治兵衛役は、藤十郎の十八番。題名の意味とは? 実際に起こった紙屋治兵衛と遊女小春の「心中」事件を題材にした。悪事を働けば捕えられ天…

題名の意味とは? 「伽羅先代萩」

映画ファンのブログを読んでいると、外国映画の「邦題」についての苦言が少なくない。邦題が、意味不明だったり、陳腐なものだったり、安易に原題をそのままカタカナにしたものだったり、・・と。私も同感。そこで、古きを尋ねて、歌舞伎や文楽の題名(外題…