映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

陰日向に咲く

劇団ひとり(これが芸名。ひとり芝居をするというが、私は未見。)が初めて書いた小説「陰日向に咲く」(幻冬舎。06.1.25刊)を読んだ。 本の帯に「33万部突破!」とある、ベストセラーだ。 【画像:38608.jpg】 連作全5話の登場人物は、ホームレスに憧れる…

柔道龍虎房 <黒澤明監督に敬意を表して>

香港のB級アクション映画「柔道龍虎房」を映画館で観てきた。 B級映画というのは、低予算で作られた娯楽映画といった意味。 たまに、こういう映画を観たくなる。会社帰りに、ビールを飲みながら観るというのが、この手の映画にぴったり。 内容は、「姿三四…

恋のダウンロードと団菊祭

【画像:38605.jpg】 5月の歌舞伎座は、病気から復帰した団十郎が元気な姿を見せる舞台で盛況だ。 団十郎と菊五郎一座が舞台を勤める団菊祭は、お祭ムードたっぷり。 夜の部を観てきた。 団菊の次代を担うふたり、海老蔵が「藤娘」、菊之助が「保名」を、そ…

「ダ・ビンチ・コード」がNHKニュースで報じられた理由は?

今日はゴルフ。昨日朝の天気予報では神奈川県は大雨とのことで、なかばあきらめていたが、まったく雨は降らず快適にゴルフを楽しんだ。 家に帰り、お酒を飲みながら7時のNHKニュースを見て、驚いた。 ニュースのトップは、秋田小1年生殺害事件であるが…

出光美術館 開館40周年

日本と中国の古美術を中心に1万点以上の所蔵品をもつ出光美術館が開館40周年を迎えた。 出光美術館は、出光本社のある東京丸の内の国際ビルの中にある。私はその国際ビル、真向かいにある新国際ビル、その隣にある新日石ビルの3つのビルに、時期もばらば…

明日の記憶

荻原浩の原作を読んで映画化は難しいのではないかと思っていたが、その懸念は吹き飛んだ。 映画「明日の記憶」(堤幸彦監督)は、なかなかの出来で、感動作である。 若年性アルツハイマー病という重いテーマだけに、お涙頂戴の映画になりかねないが、優れた…

ウイスキー

昨夜は、NHKBS2で、珍しい南米ウルグアイの映画「ウイスキー」を観た。 04年カンヌ映画祭で批評家連盟賞、東京国際映画祭グランプリを受賞し、05年度キネマ旬報ベストテン第7位という作品のいち早い放映であり、これではNHKに受信料を支払して…

荻原浩の「噂」は、衝撃のラスト一行に瞠目!

今週の土曜日から、渡辺謙主演の映画「明日の記憶」が東映系で公開される。 荻原浩の原作を読んだが、一人称形式で語られ、その語り口とラストの深い余韻がいい。この情感を映画化できるのだろうかと心配になる。 「明日の記憶」のイメージのまま、文庫本と…

「赤・黒」とクライム・サスペンス

【画像:38599.jpg】 石田衣良の連作小説である池袋ウエストパーク外伝「赤・黒」を読んだ。 カジノ売上金強奪から始まるクライム・サスペンス。 題名の「赤・黒」はルーレット。カジノで主人公が最後の大勝負に赤に全財産を賭ける物語だ。 この小説には、ク…

かもめ食堂

全編フィンランドの首都ヘルシンキで作られた日本映画 日本人は3人しか出てこないが、間違いなく日本映画 原作は、女性に人気の群ようこ 監督は、デビュー作「バーバー吉野」で才能が認められた荻上直子 3月11日シネスィッチ銀座で公開され、初日から全回…

三島由紀夫の「憂國」

JR大森駅東口にある映画館「キネカ大森」は、主に東宝系のロードショーを興行しながらも、韓国・香港などのアジア映画の特集企画を行うことで評価されている劇場だ。 そのキネカ大森で、「三島由紀夫映画祭2006」が開催されている(5月12日まで)。 昨…