映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ココ・アヴァン・シャネル」


”田舎のナイトクラブからパリへ、そして世界へー
 コネクションも財産も教育もない孤児院育ちの少女が、
 世界の<シャネル>になるまでの物語”

 

原題も“アヴァン”が付いているとおり、世界のシャネルになる前(アヴァン)のココの物語。
それはまた、どのようにしてシンプルで、メンズで、活動的で、創造的なファッションが生まれたのかという物語でもある。

 

映画の中心はココとふたりの男。
将校であるバルサンとの出会いと同棲生活。
そして唯一愛した男カベルとの出会いと死別。
ココは、ふたりの男たちから多くを吸収し、男に従属するのではなく、資金援助を得ながらも自分で稼ぎ、独身を通す。


窮屈な上流社交界儀礼服、自由で活動的な労働者の服など、ファッション革新のヒントになる場面もきちんと描いている。

時代のファッションを切り取る映像は美しい。


そしてココが最後まで自分の生き方を貫けたのは、愛するカベルが言った
「自分の才能を信じるんだ」

という強いひとことに違いない。

 

ココを演じるオドレィ・トトゥが素晴らしい。
彼女の魅力が出しきれなかった「ダ・ヴィンチ・コード」でコケたとおもわれたが、完全復活というところ。