映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「文楽鑑賞教室」が楽しい

国立劇場で「文楽鑑賞教室」を観てきた。
この教室、今回第41回とあるが、私は初めて鑑賞。

前半は、「解説・文楽の魅力」。
大夫・三味線・人形それぞれが、その役割や道具解説をしながら、文楽の魅力を楽しく語る。
文楽を何回も観ている者でも、おもしろかった。初めての人でも興味深々で聴けるはずだ。


後半は、実演「仮名手本忠臣蔵 三・四段目」。
みどころは、やはり「塩谷判官切腹の段」。
切腹直前となっても、由良助が来ない。

判官が息子力弥に促す。
「力弥」
「ハッ」
「由良助は」
「未だ参上仕りませぬ」
二度同じセリフを語る竹本津駒大夫の間合い、緊張感がまことに心地よい。

そして、駆けつけた由良助に、判官が耳打ちする場面、
「この九寸五分(小刀)は汝へ形見。我が鬱憤を晴らさせよ」
この緊迫、静寂の呼吸。
歌舞伎ではこの”形見”のセリフを、二度目に”かたみ”は”かたき(仇)”とわかるように喋るというが、文楽でははっきり”かたみ”と語る。
こんな歌舞伎との比較も楽しい。

この教室、料金は解説書付きで3,600円と格安。社会人のために午後6:30開演も用意されていて、初心者にも納得の教室となっている。

なお、前売り切符は発売当日に予約しないと、すぐ売り切れとなるので注意。