映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2012-01-01から1年間の記事一覧

2012年のベスト映画10本

私が今年1年間で観た映画は181本。うち映画館で50本。BS・CS放送&DVDで131本、 と大量になったのは、 「男はつらいよ」シリーズの他、座頭市、高倉健、吉永小百合、木下恵介、川島雄三など日本映画プログラムピクチャー黄金時代の作品にハ…

「フランケンウィニー 3D日本語吹替版」

人形を1コマ毎に少しずつ動かし撮影するストップモーション・アニメの傑作といえば、 「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(監督は、ヘンリー・セリックで、ティム・バートンは原作と共同プロヂュース)。その”キモカワイイ”独特の世界が、今度はモノクロ…

今年のベスト1映画だ!「レ・ミゼラブル」

風邪も治ったので、待ちきれず公開初日に観に行った。ロンドンミュージカル25周年記念コンサート版は映画館で観たし、東宝ミュージカル日本版の舞台は、帝劇で3回観劇しているので一応の「レミゼ」ファンでも納得、この映画版は歌も映像も、すごい! 大興奮…

あと、一日。"ワン・デイ・モア"

先週から風邪で、病院以外は外出しないで、家でじっとしている。 溜め込んだDVDや録画番組を観て、CDを聞いている毎日。CDは、ドボルザーク室内楽全集が落ち着くし、心地よく眠れて最高。 ちょっと元気を出したい時は、 ロンドン・オリジナルキャスト版ミュ…

中村勘三郎さんを偲んで

歌舞伎俳優、中村勘三郎さんが亡くなった。 57歳と、あまりに若い。勘三郎さんといえば、 どんな役にもこなす、明るく、破天荒、常に挑戦し続けた人 というイメージだ。WOWOWで録画しておいた今年4月公演の平成中村座「法界坊」を観る。 平成中村座が浅草…

「人生の特等席」

82歳となったクリント・イーストウッドが、「グラン・トリノ」から4年ぶりに俳優として出演。 年齢そのまま老いの現実や一人娘との関係と向き合う。 冒頭トイレで頻尿を激励する様子から、シワをさらけだしての演技には眼をみはる。 その姿は「グラン・トリ…

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

TVシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」をビデオ鑑賞して、その哲学的で宗教的な難解さ、心理描写の特異性、ベートーヴェンやバッハの巧みな音楽の使い方などに共鳴し、すっかりハマってしまった。その後、「劇場版」も「新劇場版」も映画館で鑑賞してきた…

「悪の教典」

貴志祐介の”このミス第1位”原作を、三池崇史が監督したサイコミステリー。 教師の狂気の殺戮なんて、昔なら絶対ありえない絵空事と思えてしまうのだが、今日この頃なら現実感があると思えてしまう。 そう見せているから、怖いのだ。普段の熱心な先生の顔と悪…

「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」

今日の新聞夕刊広告。 キャッチコピーは、 ”究極のサーカスを映画館で体験しよう!””体験者から絶賛の声!” 「この3Dは、ライブを超えている」 「舞台の特等席で見た興奮!」 「まるで魔法にかかったよう」 「めっちゃ感動した」 「例えるなら不思議の国のア…

「終の信託」

無実の人が自供するという恐ろしい実態が明るみになった遠隔操作ウイルスに感染したパソコン所有者の誤認逮捕事件。 検察が無期懲役有罪を撤回し、”謝罪なき敗北宣言”といわれた東電社員殺害事件。検察を巡る不祥事が続くなか、この映画を観ると、これら不祥…

「アルゴ」

1979年イランでのアメリカ大使館人質事件を題材にしたベン・アフレック監督、製作、主演作。 前作「ザ・タウン」で、俳優監督として、”ポスト・クリント・イーストウッド”と言われるのも、うなづける一作だ。架空の映画をでっち上げて人質を救出する、なんて…

「希望の国」

大地震による原発事故で翻弄される家族を描く、衝撃作。 希望が持てない現実でも、あえて「希望の国」という題名にした園子温監督の覚悟がみえる。この題名から、大島渚監督27歳のデビュー作を思い出した。 監督自身のオリジナル脚本「鳩を売る少年」は、…

「最強のふたり」

私のブログ記事は、「あなたへ」以降「アウトレイジ ビヨンド」まで日本映画が6本続いた。 邦高洋低なのか。アメリカ映画の低迷なのか。 やっと外国映画の記事を書く、痛快コメディーのフランス映画。予告編を観れば、どのような映画なのか解ってしまうのだ…

「アウトレイジ ビヨンド」

北野武脚本・監督による「アウトレイジ」の続編で、前作を観ていないと流れが掴みにくいので注意。 娯楽アクション映画として観ても、すこぶる面白い。前作から5年後。 死んだと思った主役の大友(ビートたけし)は生きていた。 しかも、大友を刺した木村(…

「ライク・サムワン・イン・ラブ」

アッバス・キアロスタミ監督のイラン映画「友だちのうちはどこ?」、「そして人生はつづく」、「オリーブの林をぬけて」(“ジグザグ道三部作”と言うそうだ)を観て監督の作風に感心した。 素人俳優を起用して、生活感ある、生き生きした人間描写が見事なのだ…

「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」

シリーズ15年の歴史に幕を下ろす「THE FINAL」。 最終作ということで、今までのキャストが総出演。 細かいことは無視して、とにかくお祭り気分で楽しんだ。冒頭部分、青島(織田裕二)とすみれ(深津絵里)が、商店街でから揚げ屋を営む夫婦で登場したときは…

「桐島、部活やめるってよ」

上映1時間前に劇場(シネ・リーブル池袋)窓口に行ったら、残り座席は10席余り。 上映時間には”全席満席”の表示。 公開から1ヶ月以上経ってもヒットしているようだ。 ”ハリウッドよ、これが日本映画だ。 満席御礼!ロングラン決定!”いつもと変わらぬ金曜…

「ページビュー」 50,000 到達

このブログの「ページビュー」が50,000回を超えました。ブログの世界では、ほんのわずかな数値ではありますが、それでも「HATENA DIARY」に引越ししてから50,000回見ていただいたことに感謝の気持ちで一杯です。これからもよろしくお願いいたします。

「夢売るふたり」

この映画の予告編で、 ”人間最大の謎は、男と女” との字幕がある。しかも”女”の文字に赤色がついている。そう、映画のテーマは西川美和監督が追い続けている「不可解な人間心理」。 これまでの監督作品は男の心理を描いてきたが、今回は”女”。夢売る「ふたり…

「あなたへ」

高倉健主演・降旗康男監督・木村大作撮影のコンビ作品「駅 STATION」、「居酒屋兆治」、「鉄道員(ぽっぽや)」 等、これまで何度泣かされたことか。 6年ぶりのスクリーン復帰となる高倉健には、このコンビ集合が一番ぴったり。 映画館はお年寄り(女性客が…

「プロメテウス 3D字幕版」

この夏「アベンジャーズ 」「マダガスカル」「スパイダーマン」と”3D”鑑賞が多くて、ちょっと食傷気味なのだが、予告編映像を観れば期待は高まる。 だが残念なことに、本作の3D映像は壮大な風景に比して平凡に映った。”人類誕生の謎”というキャッチコピ…

新聞広告のキャッチコピー

今日の朝日新聞朝刊に出ていた広告。 ”ハリウッドよ、これが日本映画だ。”昨日ブログで書いたばかりの ”日本よ、これが映画だ。” という「アベンジャーズ 」の新聞広告に対抗してのキャッチコピーだ。愉快なセンスに感心する。”最近日本映画のチラシが、デザ…

「アベンジャーズ 3D字幕版」

”全米で週末3日間興行収入歴代No.1新記録を樹立! 日本よ、これが映画だ。”なんとも激しい新聞広告に笑ってしまう。 全米でヒットしても、アメコミ・ヒーローものは日本では敬遠されてきたので、満を持してのキャッチコピーなのだろう。アイアンマン、イン…

映画チラシのデザイン

ブログを書き始めた6年前は、映画チラシをスキャナーで取り込んでブログに掲載していたので、チラシ収集が必要で、以来収集も楽しみとなった。最近日本映画のチラシが、デザインにインパクトを感じるものが多くなったように感じている。 いくつか掲載するが…

「マダガスカル3 3D吹替版」

連日の猛暑。こんな時には笑えるアクションが一番ということでシリーズ初の3D「マダガスカル3」を観てきた。 これが予想外の楽しさ、面白さで、猛暑に大人にもオススメ。NYの動物園で暮らしていたライオンのアレックスたち4頭の動物たちは、マダガスカル…

「ダークナイト ライジング」

大興奮の「ダークナイト」から、待ちに待ったクリストファー・ノーラン監督版の「バットマン」3部作の最終章。 165分長さはまったく感じさせない面白さ。今回初登場のキャットウーマンことセリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)、怪人ベイン(トム・ハーデ…

「おおかみこどもの雨と雪」

劇場版アニメ「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作。 脚本の奥寺佐渡子(「八日目の蝉」)、キャラクターデザインの貞本義行ら、これまでの細田作品のスタッフが再集結ということであれば、見逃せない。 さっそく劇場へ行ったが、夏休…

「アメイジング・スパイダーマン 3D」

人気シリーズが新しいスタッフ・キャストで蘇った。 監督に、評判だったデビュー作「(500)日のサマー」のマーク・ウェブという気鋭を配するあたり、ハリウッドの懐の深さととも意気込みを感じる。主人公ピーター(アンドリュー・ガーフィールド)は、父…

1969年 緋牡丹お竜に首ったけ

<私の映画遍歴14 20代の若き頃>1969年(昭和44年)は、「メン・イン・ブラック3」で描かれたタイムスリップした年、アポロ11号が人類初の月面着陸に世界中がテレビの前で固唾をのんで見守った年。 音楽番組では、由紀さおりの「夜明けのスキャッ…

1968年 「2001年宇宙の旅」に驚愕

<私の映画遍歴13 サラリーマン1年生時代>私が大学4年の1967年(昭和42年)、日本は高度経済成長期。就職活動では、高度成長を担う安定企業を目指す。 当時の就職活動は、まずは学校推薦、次に筆記試験、最後が面接だった。第一志望会社の最終面…