映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年のベスト映画10本

<今年映画館で観た映画のベストテン>1.「Mommy/マミー」(グザヴィエ・ドラン) 2.「バードマン」 (アレハンドロ・G・イニャリトゥ) 3.「おみおくりの作法」(ウベルト・パゾリーニ) 4.「海街diary」 (是枝裕和) 5.「マッドマックス 怒りのデス・…

「マルガリータで乾杯を!」

インド映画。感性豊かで鮮烈な青春ドラマだ。原題は「ストロー付きのマルガリータ」。 主人公のライラは(カルキ・ケクラン)脳性まひで電動車椅子の生活。 カクテルグラスは手で持てないが、それをコップに移してストローでマルガリータを飲めばよい。 そん…

「スター・ウォーズ」公開の1970年代

<私の映画遍歴15 1970年代の頃>1971年に結婚。 中学生の頃から、映画館は一人観に行くことのほうが多かったが、結婚してから二人で観ることもふえた。 「ライアンの娘」、「小さな巨人」、「明日に向って撃て!」などの題名を聞くと、ふたりで観た新婚時…

ニキ・ド・サンファル展

フランスの現代アート女性作家ニキ・ド・サンファルの大回顧展を国立新美術館で観てきた。 そのパワーに圧倒された。これまで瀬戸内海・直島のベネッセや箱根・彫刻の森美術館などで彼女の野外造形作品を観ていたので予備知識はあったのだが、今回これほどの…

「コードネーム U.N.C.L.E」

1960年代後半のテレビ人気番組だった「0011ナポレオン・ソロ」を毎回観ていた。 ニヤけた主人公のナポレオン・ソロ(ロバート・ヴォーン。声:矢島正明)よりも、クールなイリヤ・クリヤキン(デヴィッド・マッカラム)が人気で、吹替を担当する野沢那智もブ…

追悼 原節子さん

「生命の冠」 「わが青春に悔なし」 「お嬢さん乾杯」 「青い山脈」 「晩春」 「東京物語」 「ノンちゃん雲に乗る」 「智恵子抄」 「秋日和」・・・ 思い出に残る数々の映画、ありがとう!

「エベレスト 3D」 3D字幕版

1953年ヒラリーとテンジンらによるエベレスト初登頂を描いた映画「ビヨンド・ザ・エッジ」を観ていたので、 エベレストを登るということが人間にとっていかに過酷であるか、 最後のピークアタックという難所がどのような地形か、 そして頂上からの大パノラマ…

「ベルファスト71」

19「71」年の、北アイルランドの都市「ベルファスト」。 その街は、プロテスタント系住民とカトリック系住民の対立が激化していた。そんななかイギリス軍の新兵ゲイリーが家宅捜査で赴任するが、住民たちの暴動に巻き込まれ、ひとり取り残されてしまう。 状…

「ギャラクシー街道」

ひとつ場所に様々な人物が登場してきて展開する群像劇、いわゆる”グランドホテル形式”のドラマは、三谷幸喜監督お得意の作劇。 今回は宇宙のハンバーガーショップが舞台。登場人物が宇宙人ということで、とんでもない展開となるだろうと楽しみにして映画館へ…

「この国の空」

”わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた”「赫い髪の女」「ヴァイブレータ」「共喰い」など、男と女を描いて名手の脚本家・荒井晴彦の監督第2作。終戦の年、東京杉並で母(工藤夕貴)、叔母と共に暮らす19歳の里子(二階堂ふみ)は、丙種に…

「バクマン。」

「デスノート」の原作者として知られる大場つぐみと小畑健のコンビが手がけた、もうひとつの人気コミックを映像化。「週刊少年ジャンプ」での連載を目指す漫画家志望の高校生たちの奮闘を描く青春ドラマというのだが、 むしろ、”友情・努力・勝利”の「漫画ワ…

「危し! 伊達六十二万石」

CS放送(チャンネルNECO)で、懐かしの映画を観た。 伊達藩お家騒動の悪役・原田甲斐を嵐寛寿郎が演じた「危し! 伊達六十二万石」(1957)。 監督は「稲妻奉行」など新東宝時代劇で活躍した山田達雄。この映画は、歌舞伎の名作「伽羅先代萩」と同じ内容で、その…

「黒衣の刺客」

アジアの巨匠といわれる映画監督は、武侠映画に映像美を追求する。 アン・リー監督「グリーン・デスティニー」 チャン・イーモウ監督「HERO」「LOVERS」 ウォン・カーウァイ監督「楽園の瑕」「グランド・マスター」 これら全てが映像美あふれた傑作ぞろい。…

小津監督の秋

「麦秋」「彼岸花」「秋日和」「小早川家の秋」「秋刀魚の味」と、”秋”をタイトルとした映画が多いこともあって、毎年この季節になると、むしょうに小津安二郎監督の映画が観たくなる。そこでDVDで2本鑑賞。「小早川家の秋」 つくり酒屋のご隠居(中村雁治…

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

トム・クルーズ主演の人気シリーズも第5弾となった。 これまでも楽しんできたが、最新作も上出来。50歳を超えたとは思えぬトム・クルーズの身体をはったアクションのカッコよさ。 テンポよく進むストーリー展開は次が読めない面白さ。 ヒッチコック監督作…

大地の芸術祭

夏の終わり、2泊3日の一人旅。一番の目的は、3年に1度開催される国際芸術祭、 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、越後妻有(新潟県十日町市・津南町)で開催。 美しい棚田の風景。 厳しい条件のなかで、…

十日町おおまつり

夏の終わり、2泊3日の一人旅。 8月26日新潟県十日町市へ。 十日町市街地を彩る伝統あるまつり。 今年は、八角神輿220年祭という。 へぎそばの老舗「小嶋屋本店」で昼食。 そばのつなぎは、ふのり。織物産業で栄えた地方ならではの工夫。 「へぎ」は、そば…

「野火」

原作は、フィリピンでの戦争体験を基にした大岡昇平の小説。最初の映画化である市川崑監督作をリアルタイムで観たときは、中学3年生だった。 さすがに、人肉を食うというショッキングな内容には震撼したが、”戦争の狂気”を肌で感じて深く感銘した。 主演の…

「ジュラシック・ワールド」3D吹替版

連日の猛暑には、頭を空っぽにして観る映画が一番と、「ジュラシック・ワールド」を。 いつも行くシネコンでは、「3D吹替版」、「2D字幕版」、「2D吹替版」を時間を変えての上映。 3Dファンなので当然「3D吹替版」を選択する。「3D字幕版」が上映されてい…

「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」

ニック・パーク監督と英国アードマン・アニメーションズが製作したクレイアニメ「ウォレスとグルミット」の短編集が日本初公開のとき、映画館は満員で立ち見の人もいたので、本当にびっくり。 子供より大人が面白いという口コミで映画館を満員にしたのだった…

「ターミネーター:新起動/ジェニシス」

公開ギリギリまで映画の内容が明らかにされなかった。 この映画については正解。どこが「新起動」なのか興味をそそる。 予備知識ナシで観ることをお勧めする。人類軍リーダーであるジョン・コナーを生む前に母親サラ・コナーの抹殺しようと、機械軍はT-800タ…

「きみはいい子」

88年の歴史を誇る「キネマ旬報ベストテン」で、昨年女性監督が初めて監督賞に選ばれたのが、「そこのみにて光輝く」の呉美保監督。 注目の彼女の最新作ということで観に行く。小学校の新人教諭で、生徒たちに手を焼く岡野(高良健吾)。 3歳の娘に手を挙げて…

ミュージカル舞台「南太平洋」と映画版あれこれ

今週はミュージカル舞台を二つ鑑賞した。ひとつは、「サンセット大通り」(赤坂ACTシアター)で、今回はWキャストで濱田めぐみのほうを観劇。 彼女は歌唱力抜群なのだが、いかんせん発声が若いので老いた大女優を演じるに違和感はぬぐえず、少々期待外れ。も…

「サンドラの週末 」

会社から解雇を告げられたサンドラ。 解雇撤回を求め月曜日までの2日、長い週末が始まった。「ロゼッタ」、「ある子供」、「少年と自転車」などカンヌ国際映画祭で2度のパルムドールに輝き、5作品連続で主要部門を受賞したダルデンヌ兄弟監督の最新作。子…

「Mommy/マミー」

2014年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作。 監督は、カナダ出身、弱冠26歳のグザヴィエ・ドラン。 過去4監督作品とも次々と映画祭にて賞賛の声を浴び、俳優としてのキャリアも長く「美しき天才」と称される若き才人。私はドラン監督作を観るのは初めて…

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」3D吹替版

これこそ映画の醍醐味。 3Dの迫力もある怒涛の2時間。「マッドマックス」(1979)のシリーズ第4作にして、30年ぶりの新作。 監督・脚本は過去3作と同じジョージ・ミラー(御年70歳)。 MADな世界は健在どころか、大幅にパワーアップ。文明が滅亡し、法…

「海街diary」

鎌倉で暮らす三姉妹、長女・幸(綾瀬はるか)、次女・佳乃(長澤まさみ)、三女・千佳(夏帆)は、家族を捨てた父の死亡を契機に、異母妹すず(広瀬すず)と一緒に暮らすことになる。 鎌倉の美しい四季の風景のなか、四人の成長物語。家族がテーマだけに、”…

「海街diary」の鎌倉へ

梅雨の晴れ間、鎌倉へ行ってきました。藤沢駅から江ノ電に乗って、「海街diary」の舞台である極楽寺や、ラストシーンの由比ヶ浜を車窓から眺めながら、終点鎌倉駅に。 右の写真、江ノ電鎌倉駅ホームには映画ポスターが。 小町通りをブラブラし、漬物を買い、…

「パプーシャの黒い瞳」

文字を持たないジプシーの一族に生まれながら幼い頃から文字に惹かれ、ジプシー初の詩人といわれた実在の女性を描いたポーランド映画。文字や言葉が好きだが、自分のなかでは、「詩って、何?」彼女の才能を発見した人々により新聞記事となるが、禁忌を破っ…

「私の少女」

韓国では少ない女性監督チョン・ジュリ鮮烈デビュー作。 その誕生を支えたのが、傑作「オアシス」のイ・チャンドン監督で、プロデュースを務める。主演の女優ふたりは「空気人形」のペ・ドゥナと、「冬の小鳥」のキム・セロン、となると演技が見ものと即断し…