映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「エベレスト 3D」 3D字幕版

1953年ヒラリーとテンジンらによるエベレスト初登頂を描いた映画「ビヨンド・ザ・エッジ」を観ていたので、
エベレストを登るということが人間にとっていかに過酷であるか、
最後のピークアタックという難所がどのような地形か、
そして頂上からの大パノラマがいかに美しいか、
十分な予備知識のうえで鑑賞した。

映画「エベレスト 3D」は、その初登頂から43年後の1996年に、実際に発生したエベレスト遭難事故を描いた作品。
実力派俳優と、現地ロケによる臨場感は抜群で、迫力の3D映像がみどころ。

遭難事故が主題だけに、この映画は淡々と登頂して、遭難して、自然の前になすすべもない人間を見つめるドラマとなっている。
頂上登頂のシーンもあえて感動的に描くことなく、美しい頂上からの大パノラマ映像もない。
それだけに、エベレスト登頂の過酷さが伝わってくる。

六大陸最高峰登頂者の日本人女性も遭難死するが、自然脅威の前にあまりにもチッポケな人間の死だ。
テキサス富豪の遭難者ひとりのため、家族がCNNに訴えると脅してヘリを飛ばさせるエピソードも事実なのだろう。

大資金と肉体の限界を賭して、人間は何故エベレストに登るのか?
この映画を観ても私には、やはり難問と思わざるを得ない。