映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「黒衣の刺客」

アジアの巨匠といわれる映画監督は、武侠映画に映像美を追求する。
アン・リー監督「グリーン・デスティニー
チャン・イーモウ監督「HERO」「LOVERS」
ウォン・カーウァイ監督「楽園の瑕」「グランド・マスター」
これら全てが映像美あふれた傑作ぞろい。

そして今度は、台湾の侯孝賢ホウ・シャオシェン)監督が、初めて武侠映画に挑戦し、カンヌ映画祭で監督賞を受賞する快挙。
やはりというか、本作も映像美が際立つ。
息を呑むモノクロ画面で始まり、カラーになると自然の背景ばかりか、室内も衣装も徹底的に、美しい。

お互い無言のままのアクション描写が新鮮だ。
黒衣の女刺客(スー・チー)を助ける日本青年(妻夫木聡)の正体や、突然出てきてアクション場面となる仮面の女など、話の流れがよく分からないこともあるが、とにかく画面に釘付け。

黒衣に黒髪、運命に翻弄された女刺客の強靭な姿のスー・チーも、また美しい。