映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

大地の芸術祭

夏の終わり、2泊3日の一人旅。

一番の目的は、3年に1度開催される国際芸術祭、 
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。

過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、越後妻有(新潟県十日町市津南町)で開催。


美しい棚田の風景。
厳しい条件のなかで、縄文期から米づくりをしてきた土地。
自然と人間が共存して大切にしてきた里山


イリヤエミリア・カバコフの作品「棚田」。


夏風に揺れるコシヒカリの青稲。
白い建物は、美術館「農舞台」。


トイレに入った。
用を足して出ようとしたが、出口がない!
あせった・・(冷や汗)。
なんと、真ん中のドアが出口だった(左右は個室トイレ)。
これもアート作品なのだ。現代アートは、なんでもあり。
「農舞台」2階男子トイレでした。


高さ14メートルもある赤とんぼの塔。


世界を繋ぐ巨大な鉛筆。
一本一本に世界の国々の名前が記されていた。
パスカル・M・タイユーの作品。


草間彌生が自ら”お気に入りナンバー・ワン”という
大地の芸術祭」シンボル的作品。
水玉模様の巨大な花のオブジェに圧倒される。


150年ほど前の移築農家での展示。
糸紡ぎや機織りが盛んだった頃、多くの織物が京都へと渡った。
この関連をアート化した作品。


中越大震災で空き家となった築90年の茅葺き民家が、美術館&食堂として再生。
1階の土間に、織部の”かまど”。凄い。


その「うぶすなの家」で昼食。
地元野菜や豚をふんだんに使って、お米は、もちろん「魚沼産コシヒカリ」。甘旨!


”眼を閉じているのに、なぜ夢の中では光が見えるのか?”
この素朴な疑問から光をテーマにした作品を作っているジェームズ・タレルの作品。
「光の館」の屋根がスライドすると、空が・・。
光の変化を切り取った作品へと変貌する。


公園の斜面に、象形文字を描いた巨大な地上絵。
”大地”の芸術祭らしい。


えっ!畑の中からモグラが顔を出したぞ。
ベネチア・ビエンナーレ日本館代表も務めた開発好明が自らモグラに扮している。
これもアート作品。
”アートに縁の少ないひとたちを巻き込んでいきたい”と。


現在横浜美術館で個展も開催されている蔡國強の作品。
中国の理想郷「蓬莱山」の周囲には軍艦や戦闘機が。
東アジアの島を巡るトラブルに、平和を祈念したという挑発的な作品。


その帰り道。路面に白線で描いた浅井裕介の作品。
十日町の越後縮の素材チョマを主題にしたという。


廃校が、絵本作家・田島征三によって、大人にも楽しい“空間絵本”美術館に蘇生。


かつて廃校の女子更衣室には・・


空き家となった家の中。
長く厳しい冬、はさみや包丁など幾多の道具を使いこなして働いてきた
女たちに想いをはせる女性作家アネット・メサジェの作品。


古い空き家のなかの壁や柱、床の表面を、ひたすら彫刻刀で彫って、
一皮剥けた「脱皮する家」。
芸術祭を成功させたい人たちの執念が伝わってくる。


まつだい芝峠温泉「雲海」に宿泊。
山々の稜線と棚田を一望する露天風呂に大満足。
極楽、極楽。
露天風呂の真上の部屋に宿泊したので、部屋からも同じ風景(写真)が見えた。

美しい日本の原風景、古くからの地元のお祭、五感を刺激する現代アートの芸術祭、
存分に満喫してきました。