映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」3D吹替版

これこそ映画の醍醐味。
3Dの迫力もある怒涛の2時間。

「マッドマックス」(1979)のシリーズ第4作にして、30年ぶりの新作。
監督・脚本は過去3作と同じジョージ・ミラー(御年70歳)。
MADな世界は健在どころか、大幅にパワーアップ。

文明が滅亡し、法も秩序も崩壊し生存競争激烈な世界。
アウトローのマックスは、独裁者から脱走した女戦士と、理想郷を目指しタンクローリー車で疾走する。

最初から最後まで、荒地を疾走し、逃げる、追いかける。
その間に同乗者たちの人間ドラマが描かれて、名作「駅馬車」同様、映画の醍醐味たっぷり。

主役のマックス(トム・ハーディ)はセリフが少ないが、前作のメル・ギブソンに負けない躍動ぶり。
さらに女戦士のシャーリーズ・セロンが凄い。スキンヘッドに義手。
白塗り戦士たちのコスチューム、武装した改造車・・
ジョージ・ミラー監督のMADな世界感が画面隅々にまで行き渡る。 

監督は言う。
”文明が滅びるとあたかも中世に戻ったかのような世界。宗教的で神話的な要素が強いのもそういう世界観のせいだし、そこに私の現代社会に対する私の解釈が反映されている。”と。
「資本主義の終焉と歴史の危機」の著者・水野和夫の、資本主義の終焉のあとに来るという”新・中世世界”がダブってみえて、この映画の世界観に一層現実味を感じた。