映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

絵画を楽しむ

新海誠展( 国立新美術館)

現役アニメーション映画監督の名を冠した展覧会が開催されるなんて、すごいことです。 私は監督の全作品を観ているファンなので、国立新美術館へと行ってきました。文字どおり新海誠監督の15年の軌跡をたどる展覧会で、 「ほしのこえ」、「雲のむこう、約…

「池田学展」に衝撃

日本橋高島屋で開催中の「池田学展 The Pen ー凝縮の宇宙ー」を観てきた。今年は美術館に26回と月3回ペースで観ているが、今年これまで最も衝撃を受けた展覧会だった。わずか1mmに満たないペン先の緻密な線で壮大な世界を描き出す現代アーティスト池田学…

いちはらアートXミックス2017

千葉県の中央に位置する市原で開催されている芸術祭「いちはらアートXミックス」に行ってきました。 今年開業100周年を迎えるという「小湊鉄道」に乗って、 五井駅から1時間ほどの無人駅「月崎駅」で降車。 駅の隣は人を森へ導く駅「森ラジオステーション」…

東京都写真美術館「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展

瀬戸内海の直島で、杉本博司の写真作品「海景」と瀬戸内海を見ながらの夕食、島に造った護王神社の建築作品に魅せられて以来、最も好きなアート作家。「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展を観てきました。1.「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれな…

あいちトリエンナーレ(3)

名古屋、岡崎、豊橋の3都市で開催されている現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2016」。 アートの旅3日目最終日は、名古屋から名鉄で東岡崎へ。 徳川家康の生誕地で宿場町として栄えた歴史の町、岡崎。 二藤建人「反転の山」 昭和中頃の雰囲気を色濃く…

あいちトリエンナーレ(2)

アートの旅2日目は、名古屋市中心街の栄→広小路→長者町→白川公園までを徒歩で巡る。 田島秀彦「6つの余地と交換可能な風景」 メイン会場の愛知芸術文化センター11F展望回廊から見えるテレビ塔風景もアートに取り込められる。 会場を見てから作品を創る現場…

あいちトリエンナーレ(1)

名古屋、岡崎、豊橋の3都市で開催されている現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2016」。 2泊3日アートを巡る旅。 第1日目は、新幹線ひかりで豊橋へ。 大巻真嗣「太陽と壺」 壺の中に太陽?自然光の具合でも変化して壺に呑まれそう。 頭の中は一瞬真っ…

ニキ・ド・サンファル展

フランスの現代アート女性作家ニキ・ド・サンファルの大回顧展を国立新美術館で観てきた。 そのパワーに圧倒された。これまで瀬戸内海・直島のベネッセや箱根・彫刻の森美術館などで彼女の野外造形作品を観ていたので予備知識はあったのだが、今回これほどの…

大地の芸術祭

夏の終わり、2泊3日の一人旅。一番の目的は、3年に1度開催される国際芸術祭、 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、越後妻有(新潟県十日町市・津南町)で開催。 美しい棚田の風景。 厳しい条件のなかで、…

「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」展

大好きな映画「エターナル・サンシャイン」の監督ミシェル・ゴンドリーの展覧会が、現代アートの殿堂・東京都現代美術館で開催されているというので行ってきた。 入口は、ビデオショップがお出迎え。 映画「僕らのミライへ逆回転」の舞台そのままに、ワクワ…

BIWAKOビエンナーレ

3回連続で美術の話題。 琵琶湖のほとり、近江八幡市で開催中の現代アートの祭典、 「BIWAKOビエンナーレ2014」へ行ってきた。近江八幡の空き町家や元造り酒屋など主に江戸期の建物を会場とし、それぞれの作家がアート作品展示を行っている。 そのことによっ…

日本のベスト美術館

美術の秋、久しぶりに美術の話題を。 雑誌「Casa BRUTUS」今月号は、「日本のベスト美術館と世界の最新ミュージアム」特集。この雑誌で建築・アート関係者20人が選んだ”日本のベスト美術館”は、 建築部門が「金沢21世紀美術館」 展示部門が「ベネッセアート…

木版画「木田安彦の世界」展

学生の頃、倉敷・大原美術館で出会った棟方志功の板画「釈迦十大弟子」を見て大きな衝撃を受けた。以後棟方志功の展覧会があれば駆けつけ、食い入るように見ていた時代があった。その時以来だろうか。衝撃の木版画に出会った。「木田安彦の世界」展。パナソ…

対決ー巨匠たちの日本美術

日本美術を代表する巨匠24人の傑作が集まった注目の展覧会を東京国立博物館で見てきた。若冲と蕭白の”奇想対決”永徳と等伯の”ライバル対決”大観と鉄斎の”富士山対決”などと、互いに競ったふたりの作品を並べて展示というのが、大きなみどころだ。日本美術…

モディリアーニと「モンパルナスの灯」

今日から国立新美術館で「モディリアーニ展」が開催された。大好きな画家でもあり、さっそく足を運んだ。初日にもかかわらず会場内は比較的空いていて、ゆっくりと鑑賞できた。モディリアーニで想いだす映画は、もちろん1958年のフランス映画「モンパルナス…

森村泰昌「美の教室、静聴せよ」展

ゴッホの自画像やモナリザの名画や女優に扮したセルフポートレート作品で世界的に注目されている美術家・森村泰昌。 その展覧会が横浜美術館で開催されている。 フェルメール、セザンヌ、ゴッホといった西洋の名画に扮する作品と三島由紀夫の姿など約80点が…

音が聞こえる絵画

日経新聞の朝刊を、私はいま第1面からではなく最終ページの文化欄から読み始めている。 今日の新藤兼人「私の履歴書」は、自ら監督した映画「夜明け前」の興行失敗で無一文になったところで終わっていた。 無一文になってからのこの監督の執念が明日からの…

「仏像」展 一木にこめられた祈り

上野の東京国立博物館で「仏像」展を見てきた。 お目当ては、向源寺の十一面観音菩薩立像(国宝)。 今から20年ほど前に、滋賀の渡岸寺でこの観音像を見て、慈悲深い表情、ふくよかですらっとた姿のあまりの美しさに感動した。 その感動を木版画(右の写真…

日本で見られる世界の名画ベスト100

”日本には世界的な名画(絵画)が驚くほどたくさんある。 世界中の人々が鑑賞に訪れるキラ星のごとき100枚を隠された100の物語とともに紹介。” 雑誌「日経おとなのOFF」11月号に「日本で見られる世界の名画ベスト100」が掲載されている。 なる…

伴大納言絵巻 <新たな発見、深まる謎>

出光美術館の開館40周年特別企画「国宝 伴大納言絵巻展」へ行ってきた。 全3巻の一挙公開は10年ぶりということもあって大変な人気だ。 上巻1巻を見るだけで1時間以上は覚悟しなければならない盛況ぶり。 この絵巻は、伴大納言が応天門に放火をしたとい…

ピカソ 天才の秘密

夏休みは、愛犬も一緒に今週の5日間、箱根で過ごしてきた。 箱根にある美術館といえば、 広大な敷地に点在する彫刻群の「彫刻の森美術館」 古陶磁器と日本庭園の「箱根美術館」 現代日本画と芦ノ湖ビューが自慢の「成川美術館」 オリエント急行・列車一台の…

青磁の美

中国のやきもの「青磁」が好きだ。青磁は、ガラス質の釉薬(うわぐすり)の中の鉄分が炎のなかで青とも緑とも呼べないさまざまな色に変化し、深い味わいがある。 いまから2000年もの前、中国後漢の時代に技法が発明されたというから、驚き。 漢民族が、…

日本美術の鑑賞方法が変わる<プライスコレクション・若冲と江戸絵画展>

アメリカのジョー・プライスが、当時の日本では見過ごさらされていた若冲、芦雪などの600点の江戸絵画を収集。 そのコレクションのなかから101点が日本に来た。 東京国立博物館で「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」を観てきた。 今回の展覧会…

ぞっとする絵

高校生時代に、一枚の絵を見て衝撃を受けた。 絵を見たとたん、くらくらと眩暈のような感覚がはしり、どきっとして、心臓の鼓動がはげしくなった。 その絵は、岸田劉生の描いた「切通しの写生」である。美術の教科書で見て、知っていたはずなのに、なにか違…

出光美術館 開館40周年

日本と中国の古美術を中心に1万点以上の所蔵品をもつ出光美術館が開館40周年を迎えた。 出光美術館は、出光本社のある東京丸の内の国際ビルの中にある。私はその国際ビル、真向かいにある新国際ビル、その隣にある新日石ビルの3つのビルに、時期もばらば…