映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

ミュージカル舞台「南太平洋」と映画版あれこれ

今週はミュージカル舞台を二つ鑑賞した。

ひとつは、「サンセット大通り」(赤坂ACTシアター)で、今回はWキャストで濱田めぐみのほうを観劇。
彼女は歌唱力抜群なのだが、いかんせん発声が若いので老いた大女優を演じるに違和感はぬぐえず、少々期待外れ。

もうひとつの「南太平洋」(シアター1010)は、あまり期待していなかったが、50年以上前に観た映画版への想いも重なって、たっぷり楽しめた。

主な出演者は、藤原紀香別所哲也太川陽介ちあきしん
藤原紀香のミュージカル観るのは、初めてだったが、歌も踊りも軽快。
1950年代に流行した水着姿も披露しながらの熱演。
彼女が登場するだけで、なにより”華”があるがいい。
別所哲也はそつなく演じ、さすがベテラン。
島の女メリーが歌う難曲”バリハイ”をちあきしんが熱唱。聴かせてくれた。

今回の公演は、映画演劇文化協会の補助があり全席4,000円という特別価格。「サンセット大通り」は12,000円なので、三分の一の価格で、3倍以上楽しめた。

私がミュージカル映画に目覚めたのは、中学生のときに観た「オクラホマ!」。
新宿コマ劇場のこけらおとし映画上映で、トッドAO方式の巨大画面と凄い音響に唖然としてから夢中になった。
その後「回転木馬」や「王様と私」、そして高校1年のとき松竹ピカデリーで観た「南太平洋」と、これら作品がすべてロジャース(作曲)&ハマースタイン(作詞)コンビの作品であり、その中では「南太平洋」が最高。

この映画「南太平洋」(ジョシュア・ローガン監督)はハワイ・ロケによる70ミリ画面の美しい風景もあるが、なにより曲の素晴らしさに圧倒された。
”魅惑の宵”が最も有名だが、憧れの島に誘う歌”バリハイ”や、画面では水中カメラも駆使し、指遣いが楽しい”ハッピー・トーク”が好きだった。

しかし、コンビ最高作と思っていた「南太平洋」も、「サウンド・オブ・ミュージック」が登場して、コンビ最高作はこちらに譲ることとなる。
偉大なるロジャース(作曲)&ハマースタイン(作詞)コンビに、乾杯!