映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

新作の映画

「いのちの停車場」

新型コロナワクチン接種2回目を終えて私は一安心。少しずつ映画館に足を向けよう。 この映画「いのちの停車場」は、現役医師の南杏子による同名小説を映画化したもの。 在宅医療専門の診療所で再出発する女医(吉永小百合)が,終末期医療の現場に直面する。…

「彼らは生きていた」

新型コロナウイルスで外出自粛、休業している映画館もある日曜日。評判の作品をネット配信で鑑賞。 「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、第1次世界大戦の記録映像を再構築して製作したドキュメンタリー。 当時のフィルム映像にデジタ…

「ジョジョ・ラビット」

第2次大戦下のドイツが舞台。兵士訓練中の10歳の少年が主役で、自然な演技で観客の涙腺を誘う。少年には空想上の友ヒトラー(なんと監督自身が珍演)がいて、その会話がおかしい。監督は「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ。 反戦を前…

「カツベン!」

映画館で上映された弁士付き無声映画を今年は2回観た。ジョン・フォード監督「三悪人」(シネマート新宿)と、小津安二郎監督「淑女と髭」(川崎市アートセンター)。弁士は、佐々木亜希子さんと大森くみこさん。映画はいずれも無声映画の傑作なので、弁士…

「i-新聞記者ドキュメント-」

オウム真理教信者達の日常を追ったドキュメンタリー映画「A」続編「A2」で注目され、多くの映画、テレビ、著作で知られる森達也監督と、「新聞記者」のプロデューサー河村光康が手がけたドキュメンタリー映画。 東京新聞の社会部記者、望月衣塑子の仕事に肉…

「パリに見出されたピアニスト」

ドキュメンタリー映画のような邦題。原題は”AU BOUT DES DOIGTS”ピアノの”指先で”といった意味らしい。ポスターのキャッチコピーには「この指で、未来を拓く」とあるので、こちらのほうが原題に近く、いいと思う。 ピアニストとして才能を持ちながら、貧困生…

「ジョーカー」

DCコミックスキャラでハリウッド映画ながら、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した話題作ということで、一刻も早く観たくて初日に鑑賞。 バットマンの敵役“ジョーカー“の誕生を描く。なぜ、母親を介護している善人アーサー(ホアキン・フェニックス)…

「アド・アストラ」

宇宙飛行士のロイ(ブラッド・ピット)は、太陽系の彼方で消息不明になっていた父親(トミー・リー・ジョーンズ)に会うため、宇宙へと飛び立つ…… 宇宙への旅は楽しいものでなく孤独との戦い。次に何が起こるか読めない展開のなかで、ほぼ出ずっぱりの孤独感…

「ロケットマン」

エルトン・ジョン本人が製作総指揮し自身の波乱の音楽人生を描く。 1997年ロンドンへ海外出張に行ったとき、ダイアナ元皇太子妃への追悼歌「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」の曲がいたるところで流れていて、店にはこのCDが山積み。お土産に購入した思い出…

「天気の子」

アニメ界の”印象派”新海誠監督が原作、脚本、監督の約3年ぶり最新長編アニメ。 監督ファンだったので前作「君の名は。」の時は、待ちきれず公開第1週目に観に行ったが希望の席が取れなかったので、今回はゆっくりと待って公開4週目に行ったので希望の席は…

「トイ・ストーリー4」

これまでリアルタイムで映画館で観てきた大好きなシリーズ。 1995年のシリーズ第1作は、初の全編フルCGアニメの描写に驚愕。第2作は、フルCGに加えてストーリーが、進化していた。第3作は、さらに感動的なストーリーが待っていた。少年アンディの一番のお気…

「新聞記者」

東京新聞記者の望月衣塑子による著書を原案とした本格社会派サスペンス。 内閣情報調査室の官僚(松坂桃李)と東都新聞記者(シム・ウンギョン)の二人は、医療系新設大学設置情報から接点が・・・ 記憶に残っている事件を客観的に描くため、この映画では数…

「町田くんの世界」

安藤ゆきの同名コミックが原作。監督は「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」で2017年キネマ旬報ベストテン第1位を獲得した石井裕也。 人間が好きという高校生町田くんが、人間は嫌いという同級生女子と初めての恋に振り回されて・・この主役二人が瑞々し…

「マイ・ブックショップ」

1959年イギリスの小さな町。当時の暮らしぶりや海辺の雰囲気が全編素晴らしい。 戦争で夫を亡くした女性(エミリー・モーティマー)が、書店が一軒もなかった町で、夫との夢だった書店を開業する。 映画は静かに平和に始まっていくが、次第に地元有力者が書…

「アガサ・クリスティー ねじれた家」

アガサ・クリスティもグレン・クローズも私好み。グレン・クローズが画面に登場するだけで、とたんにミステリアスな雰囲気がでてくるから凄い。 多くの登場人物を追うのにやや忙しいが、久しぶりに”犯人はこの中にいる”本格推理を楽しんだ。 自身の最高傑作…

「ブラック・クランズマン」

この映画のキャッチコピーは、実に当を得ている。 ”前代未聞の実話! 黒人刑事がKKKに侵入捜査 痛快リアル・クライム・エンターテインメント!” 舞台は、1979年、コロラド州。黒人警察官ロン(ジョン・デビッド・ワシントン)とフリップ(アダム・ドライ…

「ROMA/ローマ」

Netflixではなく映画館で鑑賞。 メキシコ・ローマ地区に住む家政婦の物語。映画的興奮満載のドラマ描写で、人間とその生活、社会情勢がしっかり描かれていて、感動する。素晴らしい映画。 床のタイルを映した映像で始まるタイトルバックからのワンカット場面…

「ともしび」 

ベルギーの小さな町に住む老女アンナ(原題)。夫は収監されていて、犬と独り住まい。家政婦として働き、演劇サークルやプールで日々過ごす。息子との確執が悩みである。 こんなアンナの日常を淡々とカメラが追うだけの映画なのだが、アンナの眼、顔、身体が…

「ボヘミアン・ラプソディ」

バンド名の「クイーン」は知らなかった。 だから題名の意味(曲名と)も知らなかった。 でもこの映画を観れば、凄いバンドで、凄い曲ばかりと納得だ。 最後のチャリティコンサート“ライブエイド“を再現したシーンで、興奮は最高潮に。 大観客と共に素晴らし…

「日日是好日」

黒木華、樹木希林、多部未華子の初共演で描く、お茶の世界。 樹木希林を偲ぶに格好の作品。 お茶の世界と同じ、まさにじっくりと味わい深い映画だった。エッセイスト森下典子原作は未読。 監督は、「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」の大森立嗣。お茶…

「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」

ABBAのヒット曲で構成されたミュージカル「マンマ・ミーア!」の続編。前作で描かれた母と娘、母と3人の元恋人との物語を交錯して描く。 だから、前作を観ていないと面白さは半減するので、未見のひとは前作を観てから劇場に行くことをおススメする。この本…

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」3D吹替版

毎日の酷暑。 映画館で涼みながら暑さを吹き飛ばそうと映画館へ。 近所のシネコンでは、2D字幕版・2D吹替版・3D吹替版があったが、迷わず好きな3D上映スクリーンを選ぶ。 本作も3Dの迫力を十分に楽しめた。この映画は興行成績第1位というのに、平日昼…

「万引き家族」

親の死亡を隠して年金を不正受給していたというニュースに着想をえたという是枝裕和監督お得意の家族の形や社会問題を描く。 第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。 監督の受賞後記者会見での作家としてのスタンスに共感した。話題性もあり2週目でも…

「モリのいる場所」

1977年に97歳で他界した画家、熊谷守一。今年3月に、東京国立近代美術館で、 「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展 を観て、花や虫など身近な生きものを描いた独特の作風に共感した。だからこそ熊谷守一とその妻秀子の一日を描いたこの映画を楽しみに待…

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」

映画は時代を映す鏡。実にタイムリーな映画だ。 原題は、「THE POST」(ワシントン・ポスト紙)。 日本題名「ペンタゴン・ペーパーズ」は、ベトナム戦争時に国防総省(ペンダゴン)がベトナム戦争について客観的な調査・分析をした大量の最高機密文書のこと…

「グレイテスト・ショーマン」

実在した興行師P・T・バーナムの半生を描くミュージカル。 1952年に製作された大作「地上最大のショウ」のモデルとなった人物だ。傑作「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマン主演だけあって、冒頭から素晴らしい歌唱力で観客を釘づけ。 子供時代の場面で…

「スリー・ビルボード」

題名の「スリー・ビルボード」というのは、閑散とした田舎の道路わきに設置された3枚の看板。 未解決レイプ殺人の地元警察の怠慢を批判する広告看板だ。 このメッセージを出したのは娘を殺された母親。 さて、この田舎町の人々は・・・ 映画的な巧みなプロ…

「デトロイト」

昨年の「ダンケルク」や「ハクソーリッジ」と同様に、観客がその時・その場所を体感する映画。これが映画の醍醐味。1967年のデトロイト、連日暴動が続く中で起きた事件の実話を描く。 その緊張感 リアリティ映像は半端じゃない。 それもそのはず。「ハート・…

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」

待望のSWシリーズ・エピソードⅧ。 前作「フォースの覚醒」をもう一度観直してから劇場へ。フォースの力に目覚めたレイ、暗黒の世界へ行ったカイロ・レン、行方不明だったルーク・スカイウォーカーへとの再会・・・ 前作直後から始まり、怒涛のアクション展開…

「ローガン・ラッキー」

”全米最大のモーターカーイベントで現金強奪” と聴いただけで、観たくなる映画。 この手の現金強奪ものは大好き。 「男の争い」「マダムと泥棒」「現金に体を張れ」「黄金の七人」等々の多くの傑作を若かりしときに観ていたからであろうか。2013年に監督引退…