映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

1968年 「2001年宇宙の旅」に驚愕


<私の映画遍歴13
 サラリーマン1年生時代>

私が大学4年の1967年(昭和42年)、日本は高度経済成長期。

就職活動では、高度成長を担う安定企業を目指す。
当時の就職活動は、まずは学校推薦、次に筆記試験、最後が面接だった。

第一志望会社の最終面接では、いきなりクラブ活動のことを聞かれたので、映画について一方的に喋り続けて、面接前に用意しておいた「志望動機・抱負」や「ゼミの卒論テーマ」については、まったく話をする間もなく、気がついた時には面接時間が終了。
これではダメだと諦めていたが、思いがけず採用通知が来た。

翌1968年4月、晴れて大企業のサラリーマン1年生。
本社東京での新入社員研修終了後に配属されたのは、名古屋支店。
初めて自宅を離れての独身寮生活に胸踊る。

名古屋には当時スクリーンの大きさが「日本一」という”中日シネラマ劇場”があり、すぐさま「2001年宇宙の旅」を観にいった。
映像も音響も素晴らしく、内容はよく判らなかった(その後何回か見ているがいまだによく判らない)が、すごい映画があるものだと驚愕、もう唖然とするだけだった。
この映画は、当時の巨大スクリーンである「シネラマ劇場」向けに作られたもので、その意味からも日本一のスクリーンで映像体感できたのは幸運だった。

その年に観た「卒業」や「俺たちに明日はない」には、新しい時代の感覚がいっぱいつまっていた。
猿の惑星」は、アメリカでの白人社会から来るべく猿の世界(黒人社会の到来)を予感させた。
東京で観た「ロミオとジュリエット」は、若い観客が押し寄せ、立ち見だった。立ち見なんて何年かぶりだったので、よく覚えている。テーマ音楽が頭から離れずいつもハミングしていた。


                                   <続く>