映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「夢売るふたり」

この映画の予告編で、
”人間最大の謎は、男と女”
との字幕がある。しかも”女”の文字に赤色がついている。

そう、映画のテーマは西川美和監督が追い続けている「不可解な人間心理」。
これまでの監督作品は男の心理を描いてきたが、今回は”女”。

夢売る「ふたり」とは、貫也(阿部サダヲ)と里子(松たか子)夫婦。
貫也の結婚詐欺をあやつる里子の心理の揺れは、最後まで謎だ。
心は「ゆれる」「ゆれる」。やはり”人間最大の謎は、女”だ。
里子の表情やセリフからは、どこまで真実なのかわからない描写で観客を惑わす。
ひとつひとつの詐欺の過程を丹念に追うほどに、謎は深まるだけ。
西川美和監督は、ユーモア交えて”人間最大の謎”を映像化してしまうのだから、すごい。

映画の題名は、結婚詐欺を実行する側の、大義名分。
題名にも騙されては、いけない。
決して甘い話なんかではないですよ。