映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「桐島、部活やめるってよ」

上映1時間前に劇場(シネ・リーブル池袋)窓口に行ったら、残り座席は10席余り。
上映時間には”全席満席”の表示。
公開から1ヶ月以上経ってもヒットしているようだ。
”ハリウッドよ、これが日本映画だ。
満席御礼!ロングラン決定!”

いつもと変わらぬ金曜日の放課後、バレー部のキャプテンで成績優秀、誰もがスターとして一目置いていた桐島が突然部活を辞めたというニュースが学校内を駆け巡る。

桐島、部活やめるってよ
初めは桐島の彼女、それから彼女のとりまき、帰宅部、バレー部にと、波紋は広がっていく。
生徒たちがイライラ、フラストレーションの連鎖に・・

この過程のなかで生徒たちの変化を吉田大八監督は活写する。
これが群像劇の面白さ。すこぶる精度の高い展開に目が離せない。

渦中の桐島はどうしたのか、どこにいるのか?
ドラマはどんどん進んでも、桐島はいっこうに現れない。
桐島が見えないから、なお怖い。

この感覚、どこかで観たぞ。
そうか、ミヒャエル・ハネケ監督の「白いリボン」。
”美しい村、静かな暮らし、聴こえてくる魔物の足音”
”魔物の足音”とは、”戦争の足音”で、戦争を一切描いていないのに、その気配が村人に狂気が広がっていくという怖さ。

桐島、部活やめるってよ」この一言。
ちょっとしたキッカケで、人間は大きく動くかもしれないのだ。
ツイッターの一言が、宗教をなじる動画サイトが・・