映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「ぼくたちの家族」

川の底からこんにちは」、「あぜ道のダンディ」と、地方のコミカルな味から一転し、前作「舟を編む」では辞書編纂に携わる人々に敬意を表しながらの地道なドラマ作りに成功した石井裕也監督。
監督(脚本も)最新作「ぼくたちの家族」は、家族の物語を正攻法で描く。
実話から生まれた話という。なるほど、どこの家庭にでも起こりえることで、リアリティーあるドラマに仕上がっている。

母親(原田美枝子)に脳腫瘍が見つかった。余命1週間か。
この事態に家族が集合する。
取り乱す父親(長塚京三)。
母親に「あなた、誰?」と言われた、長男(妻夫木聡)のショック。
家族でも互いに本音が言えない、もどかしさ。
さめた眼でみていた次男も必死に動き出す。
次男を演じた池松壮亮が、TVドラマ「MOZU」での強烈な個性とは裏腹に演じて共感を呼ぶ。

じっくり家族と向き合った感動作で、今年これまでのマイ・ベスト映画。