映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「グランド・ブダペスト・ホテル」

独特の作風をもつウェス・アンダーソン監督が、高級ホテルのコンシェルジュレイフ・ファインズ)と、彼を慕うベルボーイが繰り広げる冒険を描いた軽快なミステリー・コメディー。

エドワード・ノートンエイドリアン・ブロディジュード・ロウなど豪華キャストも魅力だが、やはり細部にまでこだわりがある独特の雰囲気の映像と作風に驚かされた。

1968年の時代のスクリーンはシネマスコープ画面で、1932年はスタンダード画面という年代別スクリーン幅がスタイリッシュ。久しぶりに観る正方形に近い黄金分割のスタンダード画面が実に新鮮だから驚く。

小道具や美術にこだわり、構図は、まるで”ルソーの絵画”を観るような世界。
これが戦争への時代をノスタルジックに想起させる。

なかだるみなく、テンポ良く語られるので、最後まで冒険を楽しめた。

監督作は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の1本しか観ていないので、「ダージリン急行」など未見作を観なければなるまい。