映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」

ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件直後4日間の人間模様をドキュメンタリータッチで再現してみせる。

原作は、元検察官で三度もエドガー賞を受賞したというヴィンセント・ブリオシ。
監督は、元ニューヨークタイムズ誌記者で、本作で監督デヴューのピーター・ランデズマン
製作総指揮が、トム・ハンクス。頑張っています。

大統領が搬送された病院のスタッフ、暗殺を阻止できなかったシークレットサービス、FBI、銃撃の瞬間を偶然8ミリ撮影した市民、そして犯人とされるオズワルド家族の眼から見た真実を描く。
これら目撃者たちの証言に基ずく実録映画であり、事件の真相はいまだ完全に解明されていないが、新事実が発覚し事の真相をあばくというような映画ではない。
観客はこの歴史的な事件後の4日間を体感することができるという見事な映画なのだ。
この手の映画は大好き。

大統領は銃撃後ただちにパークランド記念病院に搬送される。
この応急処置室での対応、混乱ぶりに切迫感があり一気に引き込まれてしまう。
ジャクリーン夫人の描写も緊迫感を増す。

重要な証拠となる8ミリ撮影のフィルム。
私も事件の1963年当時8ミリ撮影機を所持していたので、フィルムが16ミリ・フィルムを反転往復して撮影することや現像についての体験があったので一層興味深く観た。

犯人とされるオズワルド家族が登場しているのが本作の特異なところ。
加害者家族の動揺や母親の姿勢にもスポットライトをあてて多面的に俯瞰してみせる。
暗殺の瞬間から50年を経た、いかにも現代的な捉え方に感心する。