映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2006-01-01から1年間の記事一覧

映画界での 仮名手本忠臣蔵

【画像:38643.jpg】 「仮名手本忠臣蔵」を上演すれば必ず大入り満員となるので、芝居の世界では、起死回生の妙薬「独参湯 (どくじんとう)」といわれてきた。 映画も同様で、必ずヒットするので、何度も映画化されている。 映画の黄金時代、「紅孔雀」のヒ…

文楽で観る 「仮名手本忠臣蔵」

文楽(人形浄瑠璃芝居)は、三百年以上の歴史がある世界に類をみない伝統芸能。 観るたびに、日本文化のレベルの高さ・深さに驚く。 太夫の語り、音楽としての三味線、人形の演技、この三者が一体となって織りなす世界。今日は、文楽の代表的演目である「仮…

X−MEN : ファイナル ディシジョン

【画像:38641.jpg】 ”世界は、選択で創られ、 選択で滅ぶかもしれない。” 「スーパーマン」「バットマン」「スパイダーマン」 と並んでアメコミ人気作の映画化。 シリーズ第3作「X−MEN :ファイナル ディシジョン」 を観てきたが、予想外の面白さ。 この「Xー…

宮部みゆき「名もなき毒」

”連続無差別殺人事件。 あらゆる場所に「毒」は潜む。” 宮部みゆきの3年ぶりという現代ミステリー小説「名もなき毒」(幻冬舎。06.8.25.刊)を読んだ。 「理由」や「模倣犯」に代表されるように、宮部みゆきの小説は、日常に潜む毒・悪意をするどく描き出す…

グエムル / 漢江の怪物

韓国では4人にひとりが観たという大ヒット映画「グエムル/漢江の怪物」を観てきた。現在の韓国映画の高い水準を示す作品のひとつだ。 【画像:38639.jpg】 監督は、前作「殺人の追憶」(03年。04年度 キネマ旬報ベストテン第2位)で世界的に評価 された…

本能寺の変、黒幕はイエズス会?

戦国時代の歴史で最も興味をそそるのは、「本能寺の変」である。光秀の私憤による暴挙という説明では単純にして説得力に乏しい。 しかも事実を示すような資料が一切残っていないので、いきおい「光秀に信長を討たせた黒幕がいる」はずだとばかりに、諸説がは…

「秀吉の枷」

加藤廣の小説「秀吉の枷」(上下巻。日本経済新聞社。)を読んだ。 前作「信長の棺」の続編である。 歴史ミステリーとして一気に読ませ、実に面白い本だ。 前作では、「信長の遺骸はどこにいったのか」という歴史の謎を解き明かす新解釈が興味をそそり、楽し…

あの「スター・ウオーズ」が3D立体映画になる

最近また、ハリウッドでは3D立体映画に関心が高まってきたようだ。 DVDやホームシアター普及の影響で、映画館離れを食い止めようとしている動きである。 ジョージ・ルーカスが「スター・ウオーズ」シリーズ全作品を3D立体映画としてリマスターし、再上…

スーパーマン リターンズ

【画像:38635.jpg】 あのスーパーマンが帰ってきた。 題名も、そのものずばりの「スーパーマン リターンズ」(ブライアン・シンガー監督)。 日本では唯一の上映という「3D(立体映画)版」が「品川 IMAXシアター」で公開されているということで、さ…

ハリウッドの大作映画はこうして作られる

今年のお正月映画でハリウッド大作映画「キング・コング」の製作日記(メイキング映像)のDVDがある。 「キング・コングができるまで 製作日記」(ユニバーサル。2枚組。期間限定980円)がそれで、4時間もあるので、暇を見て少しずつ見てきたが、や…

ピカソ 天才の秘密

夏休みは、愛犬も一緒に今週の5日間、箱根で過ごしてきた。 箱根にある美術館といえば、 広大な敷地に点在する彫刻群の「彫刻の森美術館」 古陶磁器と日本庭園の「箱根美術館」 現代日本画と芦ノ湖ビューが自慢の「成川美術館」 オリエント急行・列車一台の…

ゲド戦記

スタジオジブリ製作のアニメ映画「ゲド戦記」を観てきた。 映画が公開される相当前から何回も映画館で予告編が流されていた。 新人の手嶌葵が歌う主題歌がいい感じで流れ、 この映画のテーマであろう「いのちを大切にしない奴なんて、大嫌いだ!」というセリ…

ユナイテッド93

あの日「9.11」、テロリストに乗っ取られた4機のうち、ユナイテッド航空93便だけが実行犯の設定した目標にに到達しなかった。 この映画は、同機が墜落するまで、その日の出来事をドキュメンタリーのように「再現」してみせる。それは、有無を言わせぬ…

DVDで観る世界名作映画 BEST50    (PART2)

「水野晴郎のDVDで観る世界名作映画 BEST50」の続編「PART2」は、名場面ハイライト集DVD(151分)と解説本(32ページ)それに映画DVD「風と共に去りぬ」(223分)がついて、780円というお買い得のものを購入した。 【画像:3…

DVDで観る世界名作映画 BEST50      (PART1)

お盆休みの週、自宅でゆっくりDVDで映画鑑賞という人も多いのではないか。 そこでの私のおすすめは、「水野晴郎のDVDで観る世界名作映画 BEST50」。 海外名作映画をワンコイン(500円)DVDでキープ社が発売し、書店で販売、大ヒットしてい…

青磁の美

中国のやきもの「青磁」が好きだ。青磁は、ガラス質の釉薬(うわぐすり)の中の鉄分が炎のなかで青とも緑とも呼べないさまざまな色に変化し、深い味わいがある。 いまから2000年もの前、中国後漢の時代に技法が発明されたというから、驚き。 漢民族が、…

M:i:?

夏休み映画はPOC (パイレーツ・オブ・カリビアン) だけではないぞと、「M:i:?」を観る。 トム・クルーズがプロデュース&主演のスパイシリーズ「ミッション:インポッシブル」第3作で、胸のすく面白さ。 シリーズごとに前作より面白さが増すという稀有なシリーズ…

夏の文庫フェア

【画像:38626.jpg】 夏休みの季節、文庫フェアが恒例だ。 書店で文庫本を買ったとき、3社の文庫フェア案内を貰った。 各社それぞれに特徴があり、比較すると面白い。 これまでと大きく変わったのが、集英社文庫「ナツイチ」。 表紙から中まで、「青春」を…

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト

夏休みといえば、この映画。 ヒット作「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ第2作。 これはひとつ大画面で観たい!ということで、新宿テアトルタイムズスクエア(3DのIMAXシアター)に行く。 多くの映画雑誌で男優人気トップにあるジョニー・デッ…

日本美術の鑑賞方法が変わる<プライスコレクション・若冲と江戸絵画展>

アメリカのジョー・プライスが、当時の日本では見過ごさらされていた若冲、芦雪などの600点の江戸絵画を収集。 そのコレクションのなかから101点が日本に来た。 東京国立博物館で「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」を観てきた。 今回の展覧会…

痛快 群ようこ ワールド

古書店の「BOOK OFF」で、一冊100円コーナーを見ていたら、「群ようこ」の本がたくさんあった。 「群ようこ」といえば、私のお気に入り映画「かもめ食堂」の作者ではないか。 この作者の本は、これまで読んだことがなかったが、「100円なら、まあいい…

カーズ <大人のためのアニメ>

映画「カーズ」は、ディズニーがピクサーを買収(←クリック)した後の、満を持してのピクサー製アニメである。 監督は、ピクサーといえばもうおなじみのジョン・ラセター。 今回は、題名どおり自動車が主役。 車種が人物像を表現し、ほんとに多くの車種が登場す…

ダ・ヴィンチ・コード

莫大な宣伝費を投入、日米同時公開、拡大先行オールナイト興行、最大の上映スクリーン数、主演スター来日、等ハリウッド映画の超大作は、このパターンが主流だ。 結果的に超ヒット作であっても、作品の出来栄えは、必ずしも一致しないことがある。 昨年の超…

浅丘ルリ子&渡辺えり子 「おかしな二人」

かつて、ジャック・レモンとウオルター・マッソーが主演の映画「おかしな二人」(68年)は、レモンの潔癖症ぶりとスピード感あふれるせりふ、マッソーと絶妙のかけあいで、ヒットした作品があった。 この映画の原作は、ニール・サイモン作のブロードウエイの…

祝・直木賞 三浦しをん

7月8日の私のブログ (ここをクリック) で紹介した本、 三浦しをん著「まほろ駅前多田便利軒」が直木賞を受賞した。 29歳の受賞である。 本人は、受賞するはずはないと思っていたので、あわててお化粧して記者会見に来たそうだ。 「多くの本やマンガを…

W杯と「ホンモノ」

W杯は、世界最高レベル「ホンモノ」の仕事ぶりを見せてくれて、我々に感動を与えてくれた。 「ホンモノをリアルタイムで見る」ことで、熱中し、「W杯サッカーにはまった」と、今日の日経新聞「スポートピア」欄に、井村雅代が書いていた。 そうはいっても…

三浦しをん 「まほろ駅前多田便利軒」

NHKBS2「週刊ブックレビュー」は、ゲスト3人が持ち寄ったおすすめ本を司会者2人を含めて5人で合評する番組。 先週の番組では、女優星野知子が出演。彼女のおすすめ本が、三浦しをん著「まほろ駅前多田便利軒」(文芸春秋。06.3.25.刊)。 このTV…

やわらかい生活

2003年多くの映画女優賞をさらった寺島しのぶが、廣木隆一監督、荒井晴彦脚本の映画「ヴァイブレータ」と同じトリオで再び組んだ最新作「やわらかい生活」を観た。 この作品も、寺島しのぶの演技がいい。 心を病みながら自分らしく生きる35歳の独身女性を演…

嫌われ松子の一生 <不幸って何?>

「下妻物語」(04年)で異彩をはなった中島哲也監督の最新作「嫌われ松子の一生」を観た。 父親が姉ばかり愛すると思う子供時代から、金銭トラブルで教師の職を奪われ、、暴力男に貢ぎ、ソープ嬢、ヒモ男を殺して刑務所に、かつての教え子のヤクザと同棲、ひ…

上半期おすすめの映画5本

今年上半期に私が映画館で観た映画は24本。 このブログプロフィールに書いたとおり「週1回の映画館が私の楽しみ」であり、上半期26週のうち24週観たことになる。なにも観たい映画がなかった週が2回あったことになる。 私には、この週1回というのが…