今年のお正月映画でハリウッド大作映画「キング・コング」の製作日記(メイキング映像)のDVDがある。
「キング・コングができるまで 製作日記」(ユニバーサル。2枚組。期間限定980円)がそれで、4時間もあるので、暇を見て少しずつ見てきたが、やっと見終った。
ピーター・ジャクソン監督自ら撮影現場を案内して、撮影開始から最終日までの約8ヶ月間密着取材している。
このDVDを見ると、現在のハリウッド映画大作がどのようにして作られているのかが、よくわかり、興味がつきない。
「ハリウッド大作」と言っても、アメリカで作られたものでは、ない。
実際の製作現場は、ニュージーランド。
スタジオのほかオープンセット現場、CG処理も、監督が、ニュージーランドに作った撮影所工房「WETA」内で作られている。
映画の撮影場所は、すべて「スタジオの中」だった。
いわゆるロケ(野外撮影)はしていない。
コングが住むジャングルは、セットで製作した。
ミニュチュアや人工植物を使って最後はデジタル処理をして作りあげる。
NYの街も、スタジオに一部分だけのセットを建設し、背景はCG処理した。
33年当時のNYを再現するために、当時の航空写真などリアルな再現をめざして奮闘する特殊造形班の活躍ぶりも見逃せない。
主役は、「実在しない」。
主役であるキング・コングは、フル・デジタルで作られた。
33年版映画のコングは、粘土で作られてコマ撮りした、いわゆる「クレイアニメ」。
76年版映画のコングは、日本映画の「ゴジラ」と同様、人間が入って動かす「着ぐるみ」だった。
最新の05年版映画のコングは、フル・デジタルなので、粘土や着ぐるみといった実物が存在しない。あくまでITの世界にのみ存在する。
デジタル処理オペレーターは最盛期には550人が働いていたそうだ。
完成までに2年半かかり、映画史上最高の2億700万ドルの制作費を投じたという。
リアルなフル・デジタル映像を追求するには金と時間がかかることがよくわかった。
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