映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

本能寺の変、黒幕はイエズス会?

戦国時代の歴史で最も興味をそそるのは、「本能寺の変」である。

光秀の私憤による暴挙という説明では単純にして説得力に乏しい。
しかも事実を示すような資料が一切残っていないので、いきおい「光秀に信長を討たせた黒幕がいる」はずだとばかりに、諸説がはびこっている。

黒幕が、「秀吉」、「家康」、「朝廷」、「本願寺」、「イエズス会」というのがとりわけ有名。これだけでも5説ある。
それぞれ説得力があり、それだけ論議も呼ぶ。
朝廷謀略説というのは古くからあった。

イエズス会というのも、最初はびっくりして読んだが、「ダ・ビンチ・コード」の登場で、さもあらんと妙に説得力が高まる。

立花京子の「信長と十字架」(集英社新書。04.1.21.刊)では、「イエズス会が信長の抹殺を計画し、朝廷をして光秀に信長討伐命令を下すように仕向け、かつ秀吉に光秀を討つように準備させていた。」という説であり、イエズス会の背景を詳細に述べていて、興味はつきない。

光秀が主役という映画がある。松竹映画「敵は本能寺にあり」(60年。 大曾根辰夫 監督)がそれで、先代の松本幸四郎が光秀を演じている。
当時は、まだ私憤説が主流で、池波正太郎のオリジナル脚本でも、黒幕は存在せず、光秀の「私憤」が原因となっていた。