夏休みは、愛犬も一緒に今週の5日間、箱根で過ごしてきた。
箱根にある美術館といえば、
広大な敷地に点在する彫刻群の「彫刻の森美術館」
古陶磁器と日本庭園の「箱根美術館」
現代日本画と芦ノ湖ビューが自慢の「成川美術館」
オリエント急行・列車一台の本物もある「箱根ラリック美術館」
などが有名だが、
私のお薦めは、仙石原にある「ポーラ美術館」
今回3度目の訪問だったが、毎回、所蔵品の質の高さに驚かされる。
いま「ピカソ5つのテーマ」展が開催されている。
ピカソの絵画がセザンヌやブラックの絵画と並べて展示されており、その対比のなかで、ピカソの変遷をたどることができて興味深い。
5つのテーマのなかでは「物を主題に二次元の空間に挑んだピカソとブラックの冒険」テーマが光っていた。
ピカソの映画といえば、「ピカソ天才の秘密」(56年)。
「恐怖の報酬」(52年)や「悪魔のような女」で有名なフランス随一のサスペンスの巨匠アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督のドキュメンタリー映画だ。
ガラス枠の反対側にカメラを据えて、ピカソがそのガラスに絵を描く姿をリアルタイムで撮影した記録だ。
ピカソの制作過程が逐一見られるが、線に迷いがないことに驚く。
この映画のために描かれた20点の絵画は、撮影後に破棄され、この映画にしか存在しないという。美術愛好家必見の名作。