映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

映画界での 仮名手本忠臣蔵

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仮名手本忠臣蔵」を上演すれば必ず大入り満員となるので、芝居の世界では、起死回生の妙薬「独参湯

(どくじんとう)」といわれてきた。



映画も同様で、必ずヒットするので、何度も映画化されている。

映画の黄金時代、「紅孔雀」のヒットで波に乗る東映オールスター映画の「赤穂浪士」(松田定次監督)は、1955年日本映画興行収入第1位となった。大仏次郎原作を新藤兼人が脚色し、大石内蔵助市川右太衛門浅野内匠頭東千代之介が演じていた。



また、映画入場者数がピークだった1958年の日本映画興行収入の第1位は、やはり「忠臣蔵」(渡辺邦男監督)だった。

こちらは大映オールキャストで、大石内蔵助長谷川一夫浅野内匠頭市川雷蔵が演じていた。



映画の題名は、ずばり「仮名手本忠臣蔵」というのは戦前にはあるが、戦後は「忠臣蔵」か「赤穂浪士」というのが断然多い。さらに「大忠臣蔵」とか「赤穂城」というのもある。



名作といわれるのは、溝口健二監督の「元禄忠臣蔵」(前後編41年42年)。

変わりものでは、現代版の「サラリーマン忠臣蔵」(60年)とか、東映アニメ「わんわん忠臣蔵」(63年)がある。

題名も新鮮なものでは、市川崑監督の「四十七人の刺客」(94年)が有名。



まだまだあるが、とにかく日本人は忠臣蔵が大好き。

ただ、スターシステムによる映画製作がくなった現在は、忠臣蔵の映画化はなく、もっぱらテレビでの世界になってしまった。