韓国では4人にひとりが観たという大ヒット映画「グエムル/漢江の怪物」を観てきた。現在の韓国映画の高い水準を示す作品のひとつだ。
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監督は、前作「殺人の追憶」(03年。04年度
キネマ旬報ベストテン第2位)で世界的に評価
されたポン・ジュノの第3作目。
いまや「韓国のスピルバーグ」という声もあがる若手監督である。
在韓米軍の命令で漢江に大量放棄された化学物質。突然変異でできた怪物グエムル(このグムエルのCGも精巧で上出来)。
ウイルス説が流布されて、怪物出現の現場にいた家族が政府に追われる。
行方不明になった娘を探して、あてにできない政府にかわって、グエムル退治に一家がのりだす。ここが面白い。
怪物映画というよりは、「家族」がテーマ。父親を演じる名優ソン・ガンホがいい。日頃はダメ親父でも、いざとなると頼りになる、家族を想うことは誰にも負けない、その必死ぶりが共感を呼ぶ。一般庶民が怪物(=権力)と戦うという姿が感動的で、韓国で大ヒットしたのだろう。
ラストは印象的。単なるエンタテイメントに終わっていない。