映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

青磁の美

中国のやきもの「青磁」が好きだ。

青磁は、ガラス質の釉薬(うわぐすり)の中の鉄分が炎のなかで青とも緑とも呼べないさまざまな色に変化し、深い味わいがある。
いまから2000年もの前、中国後漢の時代に技法が発明されたというから、驚き。
漢民族が、貴金属以上に価値を認めた「玉」の色沢の再現ともいわれる。
歴史的に当時の諸外国の追従をまったく許さない高度なやきものである。わが国には南宋時代の13世紀に茶の湯の流行とともに盛んに輸入され、珍重された。

現在、国宝に指定されている中国陶磁8件のうち3件が「青磁」である。

出光美術館で開催されている「青磁の美」展を見てきた。

青磁140品がならび、その千変万化の青色が織りなす青磁に、暑さを忘れる。

8月29日〜9月3日までは、国宝「青磁鉄班文瓶」(元時代のもの)が特別展示されるという。
これは、大阪市立東洋陶磁美術館(大阪中之島公園内)所蔵のもの。
この美術館は世界初の試みである自然採光ケースが採用されている。
特別展示される「青磁鉄班文瓶」を初めて見たのは、この美術館だった。
たまたま雨の日で、どんよりした天気のなかで、青色というより緑色に妖しく発色した色に感嘆した。
数年後、晴れの日にもう一度観たが、また違った色合いで、やきものは自然光で鑑賞するのがいちばんよいと実感した。

出光美術館では自然採光による鑑賞は無理であるが、やきものがいちばん美しく見える照明を目指していると聞くので、特別展示も見に行きたい。
今度はどんな色合いに、見えるのか。