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”戦争を終わらせた一枚の写真。その真実。”
1945年2月、伝説的な報道写真「硫黄島での国旗掲揚」に写された英雄たちを主人公に、米軍最大の犠牲者を出した硫黄島の戦いをアメリカ側の視点から描く「父親たちの星条旗」。
この一枚の写真がアメリカ戦勝のシンボルとなり、英雄となった兵士は、戦時国債を売る為の広告塔として利用される。
兵士たちの回想によって、戦闘の真実が次第に明らかになっていく構成が見事で、現代と過去のフラッシュバック手法が実に映画的で、うまい。映画ファンをうならせる。
クリント・イーストウッドは監督に専念し、有名な俳優は出ていない。色彩を殺した映像はドキュメンタリーをおもわせ、一貫して冷静に戦闘を直視する。
「戦争に英雄などいない」というテーマを真正面から描いた本年屈指の映画。
本作は日本軍は描かれていない。姿の見えない日本軍のゲリラ戦法の脅威にさらされる米軍のみが描かれていたが、次作は日本側の視点にたって描くという。
その硫黄島2部作の第2弾「硫黄島からの手紙」は12月に公開される。
待ち遠しい。