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秋の日本映画は”泣ける”がキーワード。
そのなかの1本、「手紙」(生野慈朗監督)を選んだ。
携帯電話全盛の時代、携帯では伝えられない場所
がある。
殺人事件を犯し刑務所に服役中の兄(玉山鉄二が
泣かせる)への通信手段は「手紙」のみ。
弟が社会から差別されても懸命に生きて行く姿を描く。
恋人(沢尻エリカが好演)や勤務先の会長(杉浦直樹が話す場面がいい)たちが彼を支える。
弟の夢はお笑い芸人だが、弟を演じる山田孝之にはコメディアンのオーラに乏しく、コントのシーンが今ひとつなのが惜しまれる。
チャップリンのお家芸ではないが”笑いと涙”は同居がいい。
涙のラストシーンへのコント場面では、もっと笑わすほうが効果的だろう。
さらに小田和正の主題歌「言葉にできない」が流れるが、もう充分泣けるので、追い討ちをかけるような歌は余分。
それでも東野圭吾の原作だけあって、泣けるだけではなく、「差別」というテーマを改めて考えさせられた作品でもあった。