映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

手紙

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秋の日本映画は”泣ける”がキーワード。

そのなかの1本、「手紙」(生野慈朗監督)を選んだ。



携帯電話全盛の時代、携帯では伝えられない場所

がある。

殺人事件を犯し刑務所に服役中の兄(玉山鉄二が 

泣かせる)への通信手段は「手紙」のみ。



弟が社会から差別されても懸命に生きて行く姿を描く。

恋人(沢尻エリカが好演)や勤務先の会長(杉浦直樹が話す場面がいい)たちが彼を支える。



弟の夢はお笑い芸人だが、弟を演じる山田孝之にはコメディアンのオーラに乏しく、コントのシーンが今ひとつなのが惜しまれる。

チャップリンお家芸ではないが”笑いと涙”は同居がいい。

涙のラストシーンへのコント場面では、もっと笑わすほうが効果的だろう。

さらに小田和正の主題歌「言葉にできない」が流れるが、もう充分泣けるので、追い討ちをかけるような歌は余分。



それでも東野圭吾の原作だけあって、泣けるだけではなく、「差別」というテーマを改めて考えさせられた作品でもあった。