映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

処刑御使

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 "伊藤博文絶対絶命!

  その密使は、時空を超えてやってきた。

  朝鮮を侵略した仇敵を抹殺するために―"



幕末の動乱期。16歳の伊藤博文と、密かに彼の命を狙う「処刑御使」と名乗る朝鮮の謎の暗殺団との壮絶な闘いを描く伝奇時代小説。



荒山徹著「処刑御使」(幻冬舎。06.7.10刊)をNHKBS2「週刊ブックレビュー」で紹介され「伝奇もの」ということで読んだ。

私は半村良隆慶一郎夢枕獏といった作家の伝奇時代小説が大好きだ。この本でまた好きな作家がひとり増えた。



著者は新聞記者時代に、外国人の指紋押捺拒否問題を取材し、わだかまりを感じ、「韓国を一生の仕事にしよう」と留学し、今も韓国の研究を続けているという。

「韓国で一番憎まれている日本人は、豊臣秀吉伊藤博文。主人公は、初代韓国総監の伊藤にせざるを得なかった」と執筆の動機を語っている。



伝奇時代小説に重要な時代背景がしっかりと描かれ、スピード感溢れるエンタテイメントとなっている。

一気に読ませて、とにかく面白い。