映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

伴大納言絵巻 <新たな発見、深まる謎>

出光美術館の開館40周年特別企画「国宝 伴大納言絵巻展」へ行ってきた。

全3巻の一挙公開は10年ぶりということもあって大変な人気だ。

上巻1巻を見るだけで1時間以上は覚悟しなければならない盛況ぶり。



この絵巻は、伴大納言が応天門に放火をしたという史実にのっとって描かれた絵巻物。

変化にとんだ出来事がテンポ良く連続しており、登場人物の配置や貴族や庶民の繊細な描写、空間の大胆な使用や映画のようなドラマチックな展開など、絵巻物という日本独特の絵画芸術の醍醐味を味わうことができる。

これが平安時代末期に作られたというのでびっくりする。



高精密デジタル撮影によって絵巻のなかで10センチくらいの大きさで描かれている人物などが等身大までに拡大した写真パネルも展示されている。

本日のNHK「新日曜美術館」では、下書きなしで一気に描かれていたことや最高級の高価な絵の具が使用されていたことなどを解説していた。

この放送で館内はさらに混雑しそうだ。



絵巻物を映した映画と言えば、山中常盤の全12巻という絵巻物を写した長編記録映画「山中常盤」(04年。羽田澄子監督)がある。

映画的表現で描いた絵巻物を堪能できる傑作。