【画像：38669.jpg】
クリント・イーストウッドは、硫黄島での戦闘をアメリカ側から描いた「父親たちの星条旗」の監督オファーが来たとき、日本人側から描く「硫黄島からの手紙」を製作させることを条件に監督を引き受けたそうだ。
それほど、情熱を注いで作ったこの作品は、全編日本人俳優が日本語で話す日本の戦争映画なのだ。こんなやり方があった。
イーストウッド監督は、栗林中将や日本兵に敬意を表しながらも的確に日本軍の戦いぶりを描き出す。
得意の回想形式は、栗林中将の記録がきちんと残っている、これが事実ですよとばかりに、説得力をもたせるにくい語り口となっている。
俳優人のなかでは、栗林中将役の渡辺謙と、軍隊の非情な論理にとらわれない若い兵士を演じる二宮和也が好演し、このドラマを盛り上げている。
多くのことを考えさせられる硫黄島２部作は今年屈指の映画となった。
