日本四大絵巻と称される『源氏物語絵巻』『伴大納言絵巻』『信貴山縁起絵巻』『鳥獣人物戯画』はいずれも平安時代末期、12世紀の作。
これらの作品は、現存する絵巻物の最古の作品群であるとともに、芸術的にも最も高く評価されている。
「源氏物語絵巻」は、ご存知じのラブ・ロマンス。
「伴大納言絵巻」は、ミステリー。
放火犯は?束帯の後姿は誰なのか?
「信貴山縁起絵巻」は、SF。
空を飛ぶ鉢、米俵の飛翔、金輪童子の信貴山飛来など宇宙空間を自在に動くSF的場面が有名。
「鳥獣人物戯画」は、アニメ。
ウサギ・カエル・サルなどを擬人化した、まさにアニメの原点。
絵巻物のこの4つのジャンルは映画界でも、重要な基本のジャンルだ。
映画史上最高傑作といわれる「市民ケーン」は、冒頭シーンで示される「”バラのつぼみ”とは何か」というミステリー仕立てで、最後まで緊張感を持続させた構成がミソだった。
映画興行面では、ラブ・ロマンス「風と共に去りぬ」、SFの「E・T」「スター・ウオーズ」が歴代興行収入トップだった。「猿の惑星」は倒産寸前の映画会社を救った救世主的作品である。
長編第1作アニメ「白雪姫」の成功が、ディズニー王国の足がかりとなった。
日本での歴代興行収入第1位は、アニメ「千と千尋の神隠し」である。
こう見てくると、映画界で頼りにすべきは、「日本の絵巻物ジャンルに学べ」ということか。