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<ブログ18年目です>

「あなたに不利な証拠として」 <このミステリーがすごい!>

ミステリー小説ファンが気にしている「このミステリーがすごい!BEST10」と「週刊文春ミステリーベスト10」が発表された。

このふたつの賞は最近では似かよった結果となることが多く、それぞれの特色が薄れてきている気がする。アンケート投票による総合得点順位なので、好き嫌いがなく、多くの人が投じる作品が上位になるようだ。

2006年のベストテン第1位

国内部門は、このミスが平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」。
文春が宮部みゆき名もなき毒」であった 。

海外部門は、このミス・文春ともにローリー・リン・ドラモンドの「あなたに不利な証拠として」(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)。

この作品は、まじめで良心的な5人の女性警察官を主人公とした10の短編集。
死と隣り合わせの女性警察官の心理と生態を見事に描いたもの。
これまでの警察小説にはなかった主人公自身をあぶりだす作品となっており、その新鮮さが評価されたのだと思う。
今年は一冊も新刊を発表できなかったわが国警察小説の第一人者横山秀夫の作品を最初に読んだときと同じような新鮮な衝撃を受けた。