映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

新作の映画

「殿、利息でござる!」

予告編を観たとき、殿様に銭を貸してその利息で町を救う・・なんて馬鹿な話だと思っていたら、予告編の最後には、「実は実話じゃった。」とオチ。 あまり観たいとも思わなかったのだが、邦画では珍しい新聞の全面広告を読んでみると、確かに面白そう! ぴあ…

「レヴェナント:蘇えりし者」

狩猟中に熊に襲われて瀕死の重傷を負ったハンター(レオナルド・ディカプリオ)が、自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐するため壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。主演のディカプリオが、厳しい自然のなかでまさに命がけの過酷な役柄を見事に演じ…

「スポットライト 世紀のスクープ」

2002年アメリカの地方新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを追い続けていく姿を描く実話。 地に足がついた裏付け調査過程を淡々と描く。今年度のアカデミー賞の作品賞と脚本賞を受賞ということで観に行く。 作品賞選定は会員全員の投票によるものだ…

「ルーム」

見知らぬ男に突然誘拐され、7年間監禁され続けた女性ジョイ。 その監禁部屋で生まれ、外の世界を知らないまま5歳になったジャック。アイルランド出身の作家エマ・ドナヒューのベストセラー小説「部屋」の映画化。 小説は未読だが、上巻「インサイド」、下巻…

「あやしい彼女」

見た目は20歳!中身は73歳!韓国のヒット映画「怪しい彼女」を、「謝罪の王様」「舞妓Haaaan!!!」の水田伸生監督がリメイク。 宣伝用ポスターも、韓国版と同じようなので、完全リメイクと思っていたが、肝である音楽が「日本版」ならではの展開になっていて…

「家族はつらいよ」

山田洋次監督「男はつらいよ」シリーズ最終作「寅次郎紅の花」から20年ぶりの本格的喜劇。 いや〜あれから、もう20年も経つのか!監督最新作は、「東京家族」のキャスト8人が全員再集結して、別の家族を演じている。 主役の橋爪功をはじめ、全員息があって…

「X-ミッション」3D字幕版

予告編では、”10年に1本の アクション映画”と謳っていたが、確かに、凄い、面白い。 3D映画の醍醐味を満喫した。 にもかかわらず、平日の劇場の観客は6人しかいないぞ。 何故?有名俳優が出ていないから?キアヌ・リーヴス主演のアクション名作「ハート…

「スティーブ・ジョブズ」

この映画を観ていて、Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグを描いた「ソーシャル・ネットワーク」を思い出した。 洪水のようなセリフの連続。 IT業界のカリスマといわれる男たちに共通なのか。とにかくよく喋る。 会話劇で人間を描く。それが映画や演劇…

「FOUJITA」

藤田嗣治の絵が好きで、所蔵作品の多い東京国立近代美術館 、ブリヂストン美術館 、ポーラ美術館、ひろしま美術館には何度も行っている。 毎週見ているテレビ番組「美の巨人たち」にも何度か登場しているから、彼の生涯にも詳しい。 若くして単身パリに渡り…

「オデッセイ」3D吹替版

火星にひとり取り残されてしまった宇宙飛行士ワトニー(マット・デイモン)が、残されたわずかな物資を使って生き延びようとするサバイバル劇。 予告編を何度か映画館で観せられていたから、映画の内容は承知。それが、アカデミー賞の前哨戦であるゴールデン…

「恋人たち」

キネマ旬報ベスト・テン第1位 毎日映画コンクール日本映画大賞 この2大映画賞で共に最高の評価を受けた作品だけに、映画館は最前列まで満席。 寡作のひと橋口亮輔監督の「ぐるりのこと。」以来7年ぶりとなる新作。妻を失った男(篠原篤)、パートで働く平凡…

「アンジェリカの微笑み」

2015年4月に106歳で亡くなるまで現役世界最高齢監督だったポルトガルのマノエル・ド・オリベイラ監督が101歳で製作した映画が公開された。 98歳の監督作「夜顔」、104歳の監督作「家族の灯り」と、私は今回で3作品目の出会いとなった。監督作は、瞑想的で静…

「ザ・ウォーク」3D字幕版

”1974年、ワールド・トレード・センターのツインタワー間411メートル上空での命綱なしでので空中歩行” という実話の映画化。予告編を観た時、これこそ3D映画の題材として最高と直感した。 この実話のドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」も既に観…

「ブリッジ・オブ・スパイ」

東西冷戦下の1959年、私は中学3年生。 この年に製作された日米2本の映画が忘れられない。 米の水爆実験で被曝した第五福竜丸の船員たちの悲劇を描いた新藤兼人監督「第五福竜丸」。 もう1本は、第三次世界大戦が勃発し、核攻撃によって放射能汚染が広がり…

「007 スペクター」

「007危機一発」をリアルタイムで観て以来のファン。 最新作は、この大ヒット作を彷彿させる面白さ、そして懐かしさがいっぱい詰まっている。冒頭の「死者の日」に沸くメキシコシティ、ワンカットでの緊迫の映像に酔っている暇もない追跡劇、破壊、ヘリの格…

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」3D吹替版

お正月映画にピッタリ。公開直前まで内容が明かされていなかったし前情報もスルーして、真っ白な状態で鑑賞した。エピソード7。 オリジナル3部作の最終章「ジェダイの帰還」から約30年後が舞台ということで、オリジナル3部作のハン・ソロ、レイア、チューバ…

「マルガリータで乾杯を!」

インド映画。感性豊かで鮮烈な青春ドラマだ。原題は「ストロー付きのマルガリータ」。 主人公のライラは(カルキ・ケクラン)脳性まひで電動車椅子の生活。 カクテルグラスは手で持てないが、それをコップに移してストローでマルガリータを飲めばよい。 そん…

「コードネーム U.N.C.L.E」

1960年代後半のテレビ人気番組だった「0011ナポレオン・ソロ」を毎回観ていた。 ニヤけた主人公のナポレオン・ソロ(ロバート・ヴォーン。声:矢島正明)よりも、クールなイリヤ・クリヤキン(デヴィッド・マッカラム)が人気で、吹替を担当する野沢那智もブ…

「エベレスト 3D」 3D字幕版

1953年ヒラリーとテンジンらによるエベレスト初登頂を描いた映画「ビヨンド・ザ・エッジ」を観ていたので、 エベレストを登るということが人間にとっていかに過酷であるか、 最後のピークアタックという難所がどのような地形か、 そして頂上からの大パノラマ…

「ベルファスト71」

19「71」年の、北アイルランドの都市「ベルファスト」。 その街は、プロテスタント系住民とカトリック系住民の対立が激化していた。そんななかイギリス軍の新兵ゲイリーが家宅捜査で赴任するが、住民たちの暴動に巻き込まれ、ひとり取り残されてしまう。 状…

「ギャラクシー街道」

ひとつ場所に様々な人物が登場してきて展開する群像劇、いわゆる”グランドホテル形式”のドラマは、三谷幸喜監督お得意の作劇。 今回は宇宙のハンバーガーショップが舞台。登場人物が宇宙人ということで、とんでもない展開となるだろうと楽しみにして映画館へ…

「この国の空」

”わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた”「赫い髪の女」「ヴァイブレータ」「共喰い」など、男と女を描いて名手の脚本家・荒井晴彦の監督第2作。終戦の年、東京杉並で母(工藤夕貴)、叔母と共に暮らす19歳の里子(二階堂ふみ)は、丙種に…

「バクマン。」

「デスノート」の原作者として知られる大場つぐみと小畑健のコンビが手がけた、もうひとつの人気コミックを映像化。「週刊少年ジャンプ」での連載を目指す漫画家志望の高校生たちの奮闘を描く青春ドラマというのだが、 むしろ、”友情・努力・勝利”の「漫画ワ…

「黒衣の刺客」

アジアの巨匠といわれる映画監督は、武侠映画に映像美を追求する。 アン・リー監督「グリーン・デスティニー」 チャン・イーモウ監督「HERO」「LOVERS」 ウォン・カーウァイ監督「楽園の瑕」「グランド・マスター」 これら全てが映像美あふれた傑作ぞろい。…

「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」

トム・クルーズ主演の人気シリーズも第5弾となった。 これまでも楽しんできたが、最新作も上出来。50歳を超えたとは思えぬトム・クルーズの身体をはったアクションのカッコよさ。 テンポよく進むストーリー展開は次が読めない面白さ。 ヒッチコック監督作…

「野火」

原作は、フィリピンでの戦争体験を基にした大岡昇平の小説。最初の映画化である市川崑監督作をリアルタイムで観たときは、中学3年生だった。 さすがに、人肉を食うというショッキングな内容には震撼したが、”戦争の狂気”を肌で感じて深く感銘した。 主演の…

「ジュラシック・ワールド」3D吹替版

連日の猛暑には、頭を空っぽにして観る映画が一番と、「ジュラシック・ワールド」を。 いつも行くシネコンでは、「3D吹替版」、「2D字幕版」、「2D吹替版」を時間を変えての上映。 3Dファンなので当然「3D吹替版」を選択する。「3D字幕版」が上映されてい…

「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」

ニック・パーク監督と英国アードマン・アニメーションズが製作したクレイアニメ「ウォレスとグルミット」の短編集が日本初公開のとき、映画館は満員で立ち見の人もいたので、本当にびっくり。 子供より大人が面白いという口コミで映画館を満員にしたのだった…

「ターミネーター:新起動/ジェニシス」

公開ギリギリまで映画の内容が明らかにされなかった。 この映画については正解。どこが「新起動」なのか興味をそそる。 予備知識ナシで観ることをお勧めする。人類軍リーダーであるジョン・コナーを生む前に母親サラ・コナーの抹殺しようと、機械軍はT-800タ…

「きみはいい子」

88年の歴史を誇る「キネマ旬報ベストテン」で、昨年女性監督が初めて監督賞に選ばれたのが、「そこのみにて光輝く」の呉美保監督。 注目の彼女の最新作ということで観に行く。小学校の新人教諭で、生徒たちに手を焼く岡野(高良健吾)。 3歳の娘に手を挙げて…