「スティーブ・ジョブズ」
この映画を観ていて、Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグを描いた「ソーシャル・ネットワーク」を思い出した。
洪水のようなセリフの連続。
IT業界のカリスマといわれる男たちに共通なのか。とにかくよく喋る。
会話劇で人間を描く。それが映画や演劇の好材料となる。
監督は、怒涛のテンポが売り「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル。
アップル社の創設者スティーブ・ジョブズが演壇にたった、
1984年のMacintosh、88年のNeXT Cube、98年のiMac
この3つの新作発表会にスポットを当て、プレゼンテーション直前40分を描いた映画。
さらに娘リサとの確執と和解といったエピソードも盛り込んで、ジョブズの素顔を浮き彫りにしていく。
従って、「トイ・ストーリー」を作ったピクサー社のCEO時代や、iTunesとiPodによって音楽事業に参入する時代のお話は一切ない。
彼の伝記映画とお間違えなく。
スティーブ・ジョブズを演じるマイケル・ファスベンダーは、本人になりきって洪水のようなセリフを駆使する圧倒的演技。
こんな人間だからこそIT革命が可能なのだなーと、思わせてくれました。
彼を支える秘書を演じるケイト・ウィンスレット、最初彼女が演じていると気づかないほど自然体ながら、徐々に人間味を出していくあたり、さすが。
それぞれアカデミー主演男優賞・助演女優賞にノミネートされているのも納得。
一瞬たりともセリフを聴き逃がさぬよう息が抜けない面白さがある。
映画を”プレゼン直前40分”で構成し、ジョブズの素顔を描ききったアーロン・ソーキンの脚本の貢献が大きい。
こちらはアカデミー賞にノミネートされていないのが不思議なくらい。
(すでに「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー脚色賞を受賞しているが。)
余談ながら、ブログを書くようになって映画館で宣伝用チラシを収集するようになった。
この映画のチラシ(写真)は、白を基調としたデザインで角を丸くカットする凝りよう。
iPhoneイメージにしてあるのがミソで、貴重な収集品1枚となった。