映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「オデッセイ」3D吹替版

火星にひとり取り残されてしまった宇宙飛行士ワトニー(マット・デイモン)が、残されたわずかな物資を使って生き延びようとするサバイバル劇。
予告編を何度か映画館で観せられていたから、映画の内容は承知。

それが、アカデミー賞の前哨戦であるゴールデングローブ賞で作品賞(ミュージカル / コメディ部門)を受賞した。
過酷なサバイバル劇なのに、「ミュージカル / コメディ部門」に分類されていたので驚いた。
だが、映画を観てなるほどと、改めてゴールデングローブ賞選定者の懐の深さとユーモアセンスに感心した。

孤独な火星にひとりという状況で、船長のパソコンに残した音楽が心を癒やす。
古いディスコ音楽ばかりで、”ひどい曲ばかり”と船長の悪口を言いながらも。
私自身このジャンルの音楽は馴染みが少ない。
それでも、ドナ・サマー「Hot Stuff」とABBA「Waterloo」は分かった。
2曲とも有名な映画で使用されていたからだ。
数々のヒット曲が画面の状況に応じて流れている。それらの曲の歌詞を知っているひとは、この映画は一層堪能できること、請けあいだ。

絶望的な状況でも決してあきらめない、明るい主人公ワトニーの造形が抜群。観客はみな彼を応援してしまうだろう。
植物学者の経験を活かした技術者の勝利を謳う。
名作「アポロ13」で味わった帰還の感動も再び。

さすが「エイリアン」の職人技リドリー・スコット監督。
3D映像で宇宙の雰囲気も楽しめて、人間賛歌のテーマにも感動した。