映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「スポットライト 世紀のスクープ」

2002年アメリカの地方新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを追い続けていく姿を描く実話。
地に足がついた裏付け調査過程を淡々と描く。

今年度のアカデミー賞の作品賞と脚本賞を受賞ということで観に行く。
作品賞選定は会員全員の投票によるものだけに、本格社会派映画に作品賞を推したアカデミー会員に敬意を表したい。
アカデミー授賞式ではトム・マッカーシー監督が、
”こんな事件は二度と起こらないようにしなければならない”と力強くスピーチしていたのが印象的だった。

カトリック教会という隠ぺい体質の巨大組織と闘うジャーナリストの姿勢は共感と感動をよぶ。
闘う相手は教会だけではなく、市民も、マスコミも。
予告編でも出てくる会話
「これを記事にしたら誰が責任を取るのだ」
「では、記事にしない責任は誰が?」
と、「記事にしない責任」という言葉が重い。

先日発表された国際NGO国境なき記者団」の調査では、あの香港政府よりも日本のほうが「報道の自由」度が低く、ランクは72位だというショッキングな現実。
ジャーナリストの使命を問う、時代が要請した必見の映画。