映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

「レヴェナント:蘇えりし者」

狩猟中に熊に襲われて瀕死の重傷を負ったハンター(レオナルド・ディカプリオ)が、自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐するため壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。

主演のディカプリオが、厳しい自然のなかでまさに命がけの過酷な役柄を見事に演じ、第88回アカデミー主演男優賞は誰もが納得。

特筆すべきは、エマニュエル・ルベツキの描き出す映像。
照明光を避けて自然光にこだわったという美しくも厳しい自然を観客に体感させる。
本作で、3年連続でアカデミー撮影賞に輝いた。

単純なストーリーながらも迫力の描写力で最後まで緊張感を持続させるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の力技。
前年の「バードマン」に続いて2年連続の監督賞。

このように、演技、撮影、演出力が極めて秀逸で、まさに映画を観る喜び一杯の大作だ。

息子を愛する一途な力があるから、生き抜けた。
そして、主人公が最後に見たものは・・・
復讐あるいは暴力の連鎖のあとに残るものとは・・・

エンドロールでは。坂本龍一作曲の静謐な音楽が楽しめて、余韻が増幅される。
これから観る人は、最後まで聴いてから席を立ってください。