映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

2008-01-01から1年間の記事一覧

三句

我がつれあいが詠める句 あわただしく入院決まる青嵐 病院にある交番や燕来る 主治医より禁酒勧告青葉冷

入院時に必携<三種の神器>

入院中は、左右の腕ともに点滴状態でベッド上安静。大量の点滴投与のため尿道カテーテルが設置。痛みは消失し、頭脳は明晰。時間はたっぷりとある。これは、不自由さと不安とヒマが同居した状態である。こんなときに助かったのが、この三点。1 コミック こん…

入院しました

朝食後に突然、激しい腹痛に襲われた。 過去に、すい炎を経験していたので、事前に大学病院へ電話を入れてから自家用車で病院へ。採血、腹部レントゲン撮影、造影剤を用いたCT検査により、「急性すい炎」と診断され、そのまま緊急入院。 医師から重症とも…

モディリアニ・仮面に秘められた人生

毎週楽しみにしているTV番組のひとつに、NHK「新日曜美術館」がある。昨日の番組は「モディリアニ・仮面に秘められた人生」。 ただ1枚だけ残した自分の肖像画。巨匠ルノワールから、モディリアニに対して「そんな変な肖像画ばかり描いていて、楽しいか…

「つぐない」

本年度ゴールデン・グローブ賞で作品賞を受賞した大河ロマン。 美しいヒロインの姉(キーラ・ナイトレイ)と使用人の息子(ジェームズ・マカヴォイ)が愛し合うのもつかの間、小説家志望の妹がついた嘘によって、この3人の人生が大きく変わっていくというド…

「クローバーフィールド/HAKAISHA」

超低予算で大ヒットした映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99年)という作品があった。登場人物が回すビデオカメラ映像だけで作られたホラー映画。超低予算だから有名俳優は出てこない。これがいかにもドキュメンタリータッチで、迫真の映像。当時、…

チャールトン・ヘストンを偲ぶ

チャールトン・ヘストンが死去した。はじめて観た作品は、小学校の頃父親に連れられて封切りで観た「十戒」。あらすじはあまり覚えていなかったが、とにかく「美しいカラー」で「大作スペクタクル」映画という印象だった。そして「テーマ音楽」をいつまでも…

観たい映画が、ない。

う〜ん、困った。「どうしても観たい」という映画が、ない!毎週1回映画館で映画を観ているが、たまに、こういう事態が生ずる時がある。今週が、そうだった。 先週末の興行成績順位をみれば、?ドラえもん のび太と緑の巨人伝?魔法にかけられて?ライラの冒険…

モディリアーニと「モンパルナスの灯」

今日から国立新美術館で「モディリアーニ展」が開催された。大好きな画家でもあり、さっそく足を運んだ。初日にもかかわらず会場内は比較的空いていて、ゆっくりと鑑賞できた。モディリアーニで想いだす映画は、もちろん1958年のフランス映画「モンパルナス…

「魔法にかけられて」

”アニメーションから実写へ 2つの世界が出会う究極のファンタジー” おとぎ話の絵本が開かれると、そこは王子様との結婚を夢見るお姫様のいるアニメの国。だが王子の義母の魔女によって、現代のニューヨークへと追いやられての実写の世界。この二つの世界が…

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」

ファンタジー映画大作といえば、圧倒的な迫力で魅せた「ロード・オブ・ザ・リング」3部作が筆頭。「ナルニア国物語」は、第2部がもうすぐ公開される。「ハリー・ポッター」シリーズは、私には既にもう食傷気味で、次回作を期待していない。 これでファンタ…

三浦しをん著「仏果を得ず」

"文楽にハマっている"という若手直木賞作家・三浦しをんの最新青春小説。エッセー「あやつられ文楽鑑賞」で、伝統芸能・文楽の奥深い世界をレポートしたと思ったら、今度は小説でまたも見事に描いてしまう。この人の才能に驚く。主人公は、文楽で太夫を語る…

「バンテージ・ポイント」

”大統領を撃ち抜いた1発を、 あなたは8回目撃する。” この最新の宣伝文句(右の古いチラシ文句と違う)は、ミステリーファンには、「観たい!」と思わせる。しかも、これは映画の内容も的確に伝えている。 大統領暗殺事件を、TV中継ディレクター、旅行者…

「ガチ☆ボーイ」

” 青春☆ガチンコ グラフィティー 見参! ” 大学プロレス部に入った青年の汗と涙の青春コメディー。といえば、相撲部に入ったモックン演じる「シコ ふんじゃった。」の二番煎じか、と思いきや、この「ガチ☆ボーイ」は、笑って泣ける上出来の感動作だった。 「…

「チーム・バチスタの栄光」

*現役医師・海堂尊のベストセラー小説の映画化。*竹内結子と阿部寛が探偵コンビ。*「犯行現場は、半径10cm。この7人の中に、いる。」 という旨い宣伝文句。これにつられて、観にいった。 ミステリーであるが、肝心の謎解きが弱い。前半が退屈で、本命…

「ノーカントリー」を試写会で観ました

昨日、試写会(ヤクルトホール)で観てきた。どうしても観たくて初めて出した試写会の応募に当選。応募には年齢も記入するので、シニアには(FOR OLD MEN)当たらないのではないかと思っていたので、当選は意外だった。原題が”NO COUNTRY FOR OLD MEN”なのだ…

第80回アカデミー賞発表

第80回アカデミー賞が発表された。 脚本家組合のストライキ騒ぎで、今年はハプニングがありそうと変な期待をしていたが、見事に裏切られ地味な結果となった。こんなときこそ救世主ジョニー・デップに主演男優賞をと思われたが、受賞を逃し残念。最も驚いたの…

文楽「義経千本桜」

驚いた、感激した。映画ではなく、再び文楽のお話。国立劇場で観た今回の「義経千本桜」は、三人の主役のうち「狐忠信」編。この演目、歌舞伎では市川猿之助が、早替りと宙乗りで、すっかり有名になった舞台だが、私は文楽では初めての鑑賞。文楽でも、見事…

文楽「冥途の飛脚」

大阪が中心の文楽。東京公演は今年も年4回。国立劇場で近松門左衛門作「冥途の飛脚」を観た。遊女梅川と飛脚屋忠兵衛の心中世話物。近松ものは、特に「語り」が命ということで、事前に6年前に観たときの解説書を引っぱり出してきた。国立劇場の解説書には…

「市川崑物語」

市川崑監督を偲んで、もう1本。市川崑を描いたドキュメンタリー映画(DVDも発売)がある。この映画、ほとんど知られてはいないが、これは傑作。市川崑の幼少期から太平洋戦争を経て現在に至るまでの物語。初期のアニメーター時代や、生涯の伴侶である和田夏…

市川崑とヒッチコック

昨日、市川崑監督が亡くなった。高校生時代に「おとうと」「破戒」等すべて封切で観ていて、その斬新な映像に酔いしれ、監督にファンレターまで出した。 「犬神家の一族」で、すっかり有名になった独特のレタリング・タイトルも大好きで、監督からいただいた…

ロートレック展と「フレンチ・カンカン」

六本木のサントリー美術館で開催中の「ロートレック展」を観てきた。 ロートレックといえば、ムーラン・ルージュのポスターがまず思い浮かぶ。踊り子や娼婦の女たちを、流れる線で描くその筆使いに圧倒された。この展覧会では、当時を写した記録映画なども併…

「アメリカン・ギャングスター」

【画像:111151.jpg】 【画像:111152.jpg】 ベトナム戦争下にある1968年のNY。実在の麻薬王(デンゼル・ワシントン 写真左)と彼に立ち向かう捜査官(ラッセル・クロウ 写真右)の戦いを描く。この実力派スターふたりの演技が見もの。 特に悪役のデンゼル…

ずばり予想 第80回アカデミー賞

映画の祭典、第80回アカデミー賞は2月24日(日本時 間25日)開催予定だ。 脚本家組合ストの影響により本当に例年の華やかな授賞式が開催されるのか、危ぶむ声もあるという。 前哨戦といわれるゴールデングローブ賞では 『つぐない』(ドラマ部門)、 『スウ…

ジョニー・デップとティム・バートン監督の名コンビ

日本映画の大スター三船敏郎は黒澤明「酔いどれ天使」でブレイクして、以後「羅生門」「七人の侍」「用心棒」「赤ひげ」と黒澤監督とは切っても切れない名コンビだった。西部劇の大スター ジョン・ウエインもジョン・フォード監督の「駅馬車」でブレイクして…

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

1979年、スチーブン・ソンドハイムの作詞作曲でトニー賞8部門を受賞したミュージカルの映画化。ジョニー・デップも見事な歌いっぷりを披露している。ミュージカルといっても、ホラーか怪奇映画のようで、これほど血みどろ場面が多い映画はあまり観たことが…

「レンブラントの夜警」

東京新宿で単館ロードショー。平日にもかかわらず、テアトル・タイムズスクエアは満席。 アムステルダムの市警団を描いたレンブラントの世界的名画「夜警」。この絵の完成後に彼の人生が破滅していったのは、いったい何故か?絵画の中に密かに描かれたもの…

「僕とポーク 」

すっかりはまってしまったコミック ほしよりこ作「きょうの猫村さん」。その第3巻がやっと今春発売されるというので期待して待っていたところ、突然に発売された「僕とポーク 」を書店で見つけた。表紙を見れば、あの、ほのぼの、やさしく、まったりした味…

「アース」

【画像:79008.jpg】【画像:79009.jpg】<右は子供向けぬりえの宣伝用ちらし> ”主演、46億歳 地球ー。 2008年、奇跡の星のかつてない生命の旅へ。”5年の年数をかけて全世界200ヶ所で撮影したネイチャー・ドキュメンタリー映画。そのスケールの大きさと…

団十郎と「助六」

「歌舞伎」といえば「助六」を連想する人は多い。江戸東京博物館には、歌舞伎「助六」の舞台が常設展示されている。また、今号の雑誌「サライ」歌舞伎特集の表紙を飾るのも団十郎演じる「助六」の舞台写真。今月の歌舞伎座は、団十郎の「助六」がある。これ…