今日から国立新美術館で「モディリアーニ展」が開催された。
大好きな画家でもあり、さっそく足を運んだ。
初日にもかかわらず会場内は比較的空いていて、ゆっくりと鑑賞できた。
1958年のフランス映画「モンパルナスの灯」。
36歳という若さで世を去った当時のフランス映画界を代表するジェラール・フィリップが、同じ36歳で夭逝したモディリアーニの苦悩と絶望を見事に演じたドラマ。この映画、そのラストシーンが忘れられない傑作。
リノ・ヴェンチュラ演じる画商が、モディリアーニの死を看取ってから妻のジャンヌにも知らせることなく、全作品を買いあさるのだ。
画家と画商ふたりの対比がドラマを盛りあげた。
さすが「現金に手を出すな」のジャック・ベッケル監督だけあるサスペンス仕立て。絵を描く場面の多い画家の伝記映画であるが、モノクロ作品。
役者の陰影を見事に映し出し、モンパルナス町並みも美しい。
そして妻を演じるアヌーク・エーメのなんと美しいことか。こういうモノクロ映画の良さが、今や、なつかしい!