驚いた、感激した。
映画ではなく、再び文楽のお話。
国立劇場で観た今回の「
義経千本桜」は、三人の主役のうち「狐忠信」編。この演目、歌舞伎では
市川猿之助が、早替りと
宙乗りで、すっかり有名になった舞台だが、私は
文楽では初めての鑑賞。
文楽でも、見事に早替りがあり、しかも
宙乗りまであった。幕切れには屋台をせり下げて、勘十郎がワイヤーで宙吊りとなって、ひとりで操る狐忠信が天空を舞う。大
喝采。
人形遣い桐竹勘十郎があやつる狐のなんと幻想的なことか。
豊竹咲大夫は、情念あふれんばかりの語り口。
道行では、ひと足早く満開の
吉野桜を楽しむ。さすが
文楽三大名作のひとつである。堪能した。