大阪が中心の文楽。東京公演は今年も年4回。
国立劇場で近松門左衛門作「冥途の飛脚」を観た。遊女梅川と飛脚屋忠兵衛の心中世話物。近松ものは、特に「語り」が命ということで、事前に
6年前に観たときの解説書を引っぱり出してきた。
国立劇場の解説書には、義太夫節の語りが書かれた
床本が別冊でついているので、観る前に床本を読み込いつもは、どうしても人形遣いによる人形ぶりに眼がいってしまうが、特に今回は義太夫語りに耳を傾けた。「一度は思案、二度は不思案、三度飛脚。
戻れば合わせて六道の冥途の飛脚と」
この淡路町の段最後の名調子(竹本津国大夫)もしっかり聞いた。この年齢になってから、ますます文楽の味わいを堪能できるようになってきた。