映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

文楽で見る「夏祭浪花鑑」

東京で文楽公演の切符を手に入れるのは大変だ。
今回なんとか手に入れて、国立劇場(小劇場)へ。平日昼の部だというのに、満席。
見たのは「夏祭浪花鑑」の通し狂言
この演目は歌舞伎のほうでは海外公演でも評判をとった中村勘三郎の十八番。
私は文楽のほうは初めて見たが、歌舞伎とまた違って人形ぶりが新鮮で充分楽しめた。

物語のクライマックス。
ダンジリ囃子が聞こえる中の殺しの場面。
雲龍の彫り物、白い肌、赤い下帯が一本。殺しの美学がきまって、すごい。
主役の団七を操るのは桐竹勘十郎。女房は日経新聞で今月「私の履歴書」連載中の吉田蓑助。
人形遣い太夫も熱演で、やはりライブで見なければこの感動は味わえないと思ってしまう。
文楽近松もの(心中の世話物)が真髄と思っていたが、どうして任侠ものもいいぞ。

文楽は、ほんとに奥が深い。



     「夏祭」の団七。衣服を脱ぐと彫り物が→