映画は時代を映す鏡 

<ブログ18年目です>

ディレクターズ・カット版

劇場公開版とは異なるDVDが発売されることがある。

「ディレクターズ・カット」とか「完全版」など呼び名は違うが、要は映画プロデューサーによって不本意な編集をされた監督が、当初劇場公開されたバージョンとは別に、改めて編集したものだ。



ハリウッド映画では、最終的な編集権は映画の製作者(プロデューサー)がもっていることからおこる。



上映時間リミットによるフィルムカットは、監督の戦いの歴史でもある。

テリー・ギリアム監督は「未来世紀ブラジル」(85年)で、契約上の上映最長時間を17分オーバーしてユニバーサル社と争い、最終的にノーカット上映に成功したという例もある。



周防正行監督の「Shall weダンス?」(96年)がアメリカで公開される時、

”2時間を越える字幕つき外国語映画は絶対にヒットしない”という理由で、2時間16分のオリジナル版は無理やり1時間58分にフィルムカット(18分)されている。



黒澤明監督の「七人の侍」(54年)<海外版>は、これも”長すぎる”ということで監督自身が43分カットして上映したもの。これぞ逆の意味での”ディレクターズ・カット版”。

以後1975年の完全オリジナル上映まで、国内でもこの海外短縮版が上映されていた。

【画像:38749.jpg】

↑現在上映される「七人の侍」は、もちろんオリジナル<完全版>